櫻坂46 新センター「田村保乃」の素顔 けやき坂46の三次オーディションを欠席したワケ

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意外な素顔

 前述したように体育会系だったため、バリバリの熱血少女と思われる人もいるかもしれない。だが、その素顔は実に女の子らしいのである。冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系・毎週日曜24:35~・以下、『そこさく』と略)の“モテメンバーグランプリ”という企画で“彼女にしたいメンバー”第1位に選ばれていた。選出理由も「女の子がいっぱい詰まった感じで可愛いから」や「とにかく可愛いです。あの笑顔にやられない人はいないと思う」など、とにかくベタ誉めの嵐であった。なかでも笑ったときにできる右頬のえくぼが魅力的で、他の番組でもほぼ100%笑っているのが実に印象的だ。彼女の笑顔を観るこちら側も「ああ、なんかいいなぁ」と思ってしまうのである。

 自分を飾らないところも彼女の魅力の一つだろう。『そこさく』の前身番組である『欅って、書けない?』初登場時に「私、バカでお勉強が苦手」発言が飛び出したのがその際たるもの。ここまで堂々と言われるとある種、気持ちがいい。

 初めて受けたオーディションの話も面白い。実は坂道合同の前にけやき坂46(現在の日向坂46)のオーディションを受けており、二次審査まで合格していた。ところが、なんと合格通知に気づかず、三次審査を受けられず。もし受けていたら合格していた可能性がかなり高かったと思われる。グループの歴史は変わっていたかもしれない。

 このように純粋、純朴、素朴、そして天然な子だが、この“可愛らしさ”と“純粋さ”に目をつけたテレビ番組があった。テレビ朝日系で土曜の夜に放送中の人気バラエティ『あざとくて何が悪いの?』である。同番組内の連続ドラマ企画“あざと連ドラ”に出演したのだ。今年7月の放送で“あざと小ボケ女子”の役で初出演を果たしたのだが、可愛さのなかにも不安げな表情を浮かべる絶妙な演技を披露し、スタジオ中が絶賛の嵐だった。このときの演技が評価され、同番組のミニドラマ第3弾となる『あざとくないと恋はできない?』ではヒロインを務めることになる。MC陣の一人である田中みな実が初登場時に「この子、可愛いね」とベタほめしたことが影響したのかもしれない。田中は今、女性芸能人の中で最も女子ウケが高いとされている一人。その彼女にハマったことで、田村にも女性視聴者の注目が集まることは確実だといえよう。

 こうして乗りに乗った状況で田村保乃は初のセンターに抜擢された。その楽曲『流れ弾』は疾走感のあるリズムとラップのような韻を踏んだ歌詞が特徴的だ。自分には何の非もないのに知らないところで悪者になっているという“理不尽”な内容だが、最後には“愛”を訴えるメッセージが発せられている。1stと2ndの曲でセンターを務めた森田ひかるは20歳だから、田村は3歳年上になる。この曲の世界観をセンターで表現するためには“大人っぽい”雰囲気・空気感がどうしても必要だったと思われる。

 欅坂46から櫻坂46に改名したことで、クールさに“女性らしさ”も加わったグループを目指していく。“桜”ではなく“櫻”の字が使われているのも日本古来の奥ゆかしさや女性らしい凛としたイメージを持たせるため。その象徴となるのが他ならぬ新センター・田村保乃なのである。

上杉純也

デイリー新潮編集部

2021年11月16日掲載

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