いつまでキムタクは「若者代表」ポジション? 最後の国民的スターとしてのプライドとしんどさ

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香取慎吾とも違うポジショニング ダサさと紙一重のカッコよさを持つ稀有な存在感

「少年の心」といっても、SMAPの末っ子・香取慎吾さんとは違うベクトルだ。「慎吾ちゃん」にあるのは、少年の純粋さや好奇心。「キムタク」にあるのは、子どもっぽい自己顕示欲や残酷さ。だから「キムタク」に課せられるのは、どこかヤンチャなイメージの役が多い。どちらが上というわけではなく、本人たちの性格と同じでもない。香取さんも木村さんも、実際はとても思慮深い大人である。

 他にはヒロミさんや木梨憲武さん、大御所なら所ジョージさんあたりが「少年の心を持ったヤンチャな大人」というイメージがある。ただ、子どもじみたダサさと紙一重のカッコよさを打ち出させたら、木村さんの右に出る者はない。アラフィフになっても恋愛ドラマの主役を堂々と張り、高視聴率を稼げるのは木村さんくらいだ。彼を「月9バカ」と称したのは有吉弘行さんだが、月9バカというより視聴率オバケ。それもひとえに、本人の「キムタク」としてのプライドと責任感がなせる業だろう。

 木村さんはいつまでCMやドラマで、カッコつけてくれるだろうか。それは、いつまで「キムタク」でいてくれるだろうか、ということでもある。かつては自分を「キムタク」と呼ぶ人は嫌いだと公言していた木村さん。それは自らに対するリスペクトを感じず、流行りものとして消費されることへの嫌悪感ゆえだっただろう。それが今では自ら「キムタク」として消費されることを受け入れ、貫いてくれているように見える。かっこいいなあキムタク、いや、木村さん。今こそ、心からそう思う。

冨士海ネコ

2021年11月14日掲載

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