学会票にすがるも落選の甘利幹事長 地方の候補者からは「甘利さんに応援に入られても」

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甘利さんに応援に入られても票が入らない

「スキャンダル直後に行われた17年の総選挙では、今回と同じ立民の太栄志(ふとりひでし)さんをダブルスコアの大差で沈めています。大臣を辞めての出直し選挙に大勝したわけで、甘利さんとしては“禊(みそぎ)が済んだ”という認識だったわけです。しかし、幹事長になったことでスキャンダルが蒸し返されてしまった。さらに、ヤメ検の郷原信郎弁護士が甘利さんをターゲットに落選運動を展開。選挙区に大量のビラがバラ撒かれました」(同)

 選挙戦が終盤に差し掛かった10月28日以降、落選危機に焦った甘利氏は地元にべったりと張り付いてドブ板に励むことに。無論、“コスパの悪いタスキ”を肩から下げて、である。

 政治部デスクによると、

「そもそも、地方の候補者からは“甘利さんに応援に入られても票にならない。なるべく人の集まらない場所で応援してもらった”という声が上がっていた」

 地元ではこんな珍事も。

「モノクロで笑顔のない“ちょいワル親父”風の選挙ポスターを撤回。ネット上では“遺影みたい”と書き込まれ、後援会からの評判も悪かったせいで、急遽、明るく若々しいイメージの新たなポスターに差し替えています」(同)

 加えて、“学会票”が甘利氏を悩ませた。

「とりわけ創価学会の婦人部はカネとオンナに絡むスキャンダルを毛嫌いするため、序盤戦は“寝ている”状態だった。また、先の総裁選で甘利さんが岸田支持を打ち出し、公明と太いパイプを持つ菅前総理と争う格好になったことも災いしている。選挙戦最終日に甘利さんの応援に付き添ったのは公明・神奈川選挙区の三浦信祐(のぶひろ)参院議員。なりふり構わず学会票にすがったわけです。ただ、学会員が友人や知人に投票をお願いする“F(フレンド)票”の上積みは間に合わなかった」(同)

 二階俊博氏は5年以上も幹事長を務めたが、後任の甘利氏はわずか1カ月。器でなかったと言うほかない。

週刊新潮 2021年11月11日号掲載

特集「赤絨毯 『不合格者』たちの後始末」より

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