NHK岩田明子氏の復権、菅シフトを敷いたら退陣で岸田首相に直電できる記者が不在に

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人事はいじれない

 岸防衛相の留任報道を巡っては、政治部は後追いさえままならず、他メディアに後れを取るという嫌なオチまでついた。一方で岩田氏は、総裁選時から岸田選対に出入りしていることが目撃され、報じられてもいた。その良好な関係を生かし、自身の取材力をアピールする機会が増えるかもしれない。

「岩田さん一人に政治部がやられるという体たらくでした。正籬(がき)聡NHK副会長は政治部時代には宏池会の担当でしたし、古い話ですが島桂次元会長も宏池会の担当で、伝統的にあの派閥に強いはずだったんですが……。もうそういう時代じゃないのかもしれません」(先の局員)

 闘えない組織なら即座に見直せばいいのではと誰もが思うところだが、

「ウチの人事は年に1度ですし、みずほ銀行出身の前田伸晃会長と正籬(がき)副会長を中心に練った人事をすぐに覆すのは無理だと思います。来年6月までのらりくらりとやり過ごすしかないでしょうね」

 今回の総選挙では、報道各社の事前予想がおしなべて外れたことがクローズアップされた。中でもNHKは自民党の獲得議席数を212~253とかなり幅をもたせた予想をした挙句、それさえ外す(実際は261)という後味の悪さが残った。

「投票締め切りである午後8時の“せ~の”の発表では、民放各社も外したとはいえもう少しピンポイントで予測の数字を出していたから、NHKに比べて潔いという印象が視聴者にはあったかもしれませんね。NHKとしては情勢が読みづらい苦しさが幅の広さに表れていましたが(笑)」(先のデスク)

「皆様のNHK」の政治報道における苦境は、しばらく続きそうな気配だ。

デイリー新潮取材班

2021年11月5日掲載

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