日ハム「吉村GM」が降格 中田翔問題について問われ「何の話?」と記者に逆ギレしていた

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説明責任を果たしていない

 そんな吉村氏が今年、大きな批判にさらされたのが、中田翔のトレード問題だった。実際、巨人の原辰徳監督に引き取ってもらうよう動いたのは栗山氏だが、最終的に了承したのは吉村氏。しかし、編成責任者として吉村氏は、これまで一切、中田問題について口を閉ざしてきたのである。

「栗山監督も球団社長も、記者の質問にはきちんと答えてきたのにかかわらず、吉村氏だけが表に出ずに逃げ通してきた。そのためファンからも『GMは説明責任を果たせ』という批判が渦巻いていました」(同前)

 球団側もこの動きを注視していたという。

「すでに昨年頃から、成績低迷について吉村氏の責任を問う声は高まっていました。不祥事は、自社商品のイメージダウンにもつながります。親会社側は中田問題の実態を把握するため、懇意にしている担当記者など現場の人間にヒアリングも行い、吉村外しを決断したようです」(同前)

「事前に質問申請のないものは答えない」

 番記者らの間でも、中田問題に関する吉村氏の対応の悪さは問題視されていた。10月11日に行われたドラフト会議の前日に、都内のホテルで番記者らが吉村氏を囲んだ時のことである。

「球団として、中田の問題は終わったという認識でいいのか」

 ある記者が単刀直入にこう尋ねると、吉村氏は、

「何の話?」

 とすっとぼけたというのだ。“どこの中田の話?”と言いたげな口ぶりだったという。

「吉村氏からすれば、なぜ終わった話をこんな場で蒸し返すんだと言いたかったのでしょう。ただ、記者は必死に食い下がって質問を続けたそうです。しばらく押し問答が続きましたが、最終的に吉村氏は『広報を通して。事前に質問申請のないものは答えない』と突っぱね、何も話しませんでした」

 皇室でもあるまいし、事前に質問内容の通告を求めるとは呆れるばかりだ。このような対応が許されるくらい、吉村氏が権力者として球団に君臨してきたということなのだろう。長きにわたって君臨してきた権力者の交代劇。果たして、新庄監督、稲葉GMの新タッグのもと日ハムの再生はなるか――。

デイリー新潮取材班

2021年10月29日掲載

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