性的暴行容疑で異例の10回再逮捕…「元リクルート関連会社社員」を追い詰めた捜査の内幕

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性犯罪に対する断固とした姿勢

「捜査員たちはスマホに残っていた情報から、被害にあったと思われる女性を一人ひとり訪ね歩いていきました。被害者の中には、その日の出来事に違和感を覚えつつも、自分が襲われていたことを知らずに過ごしていた人も多かった。薄々気づきながらも思い出したくもなかった、そもそも知りたくもなかったという人もいたはず。そういう被害女性一人ひとりに、性犯罪の捜査に慣れた女性警官たちが慎重に接触し、被害届を出す意思があるか確認していったのです」(同前)

 事件が一躍注目されたのは2度目の逮捕時。丸田容疑者が女性を誘い出すのに「就活マッチングアプリ」を利用していたことが大きな話題になった。丸田容疑者は甲南大学出身だったにもかわらず、神戸大学卒と就活生に偽っていた。ただし、彼が狙った女性は就活生ばかりではない。被害者にはクラブで声をかけられた女性や飲み会で知り合った女性などもいた。2年前から友人関係にあった女性も被害にあっていた。

 警視庁は1カ月に1回のペースで再逮捕を繰り返していったが、この種の犯罪でここまで再逮捕を繰り返すことは非常に珍しいという。

「数回再逮捕して、残りの余罪は追送検するのが一般的です。卑劣な性犯罪に断固として向き合っていこうという警視庁の強い意思の表れだったのではないか。捜査幹部は当初から『挙げられる余罪はすべて挙げる』と意気込んでいました。丸田容疑者が余罪を認めようとしなかった姿勢も影響したでしょう。再逮捕を繰り返せば、物理的に保釈が認められなくなる」(同前)

再逮捕の合間に始まっていた公判

 8月31日に初公判が開かれた後も再逮捕が続いた。

「9月1日に9回目の逮捕があったため、予定していた第二回公判はキャンセルになりました。今後、新たに追起訴された分も併合して審理されることになります」(司法担当記者)

 初公判を傍聴したジャーナリストの高橋ユキ氏によれば、

「被告は読み上げられた起訴状3件のうち1件は否認していました。ただ、小声で『記憶がなく……』などとボソボソ言っており非常に分かりづらく、裁判官からは度々『聞こえない!』と叱られていました。坊主頭にスーツ姿でしたが、爽やかで清潔感がある印象を受けました」

 10月5日には、知人女性への準強制性交未遂容疑で10回目と再逮捕。これでようやく捜査は終結する見通しだという。

「ずっと余罪を認めようとしなかった丸田容疑者ですが、最後の逮捕後、ようやく『女性たちに申し訳ないことをした』と反省の言葉を述べ始めたそうです」(前出・警視庁担当記者)

 果たして、丸田容疑者は本当に被害女性たちに向き合い始めたのか。今後の裁判を注目していきたい。

デイリー新潮取材班

2021年10月25日掲載

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