深夜ドラマは10年前の週2本から16本に激増中…各局が力を入れる今どきな理由とは

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制作委員会方式でヒット

 テレ東作品を中心に導入されている制作委員会方式も制作費を増やした。この方式の場合、制作費は局以外の企業も負担する。映画の製作委員会方式と相似形だ。1社当たりの負担金が高額でない分、資金を集めやすい。

 つくったドラマがもたらす放送上の利益や動画配信、DVD販売など2次利用の売り上げは制作委員会で分け合う。局の儲けは少なくなってしまうものの、リスクを一身に背負わずに済む。

 制作委員会方式はテレ東が2011年にプライム帯のドラマ「鈴木先生」(主演・長谷川博己)で初めて採用した。当時、他局の幹部の中には「外部の資金に頼るなんて」と鼻で笑う人もいたが、今では当たり前になりつつある。特に大口スポンサーの獲得が簡単ではない深夜ドラマには向く。

 制作委員会方式でつくったから大ヒットした深夜ドラマもある。東京ではネット放送されなかったにもかかわらず、全国的に話題になった2020年1月期の「ホームルーム」(大阪・毎日放送)がそうだ。

 このドラマの制作費は制作委員会が出した。大口スポンサーに頼らなかった。だから、主人公の高校教師(山田裕貴、31)が毎晩、1人暮らしの教え子(秋田汐梨、18)の自宅に忍び込むという刺激的な場面が盛り込めたのだろう。

 この場面は2人の関係性を浮き彫りにする核心部分だったから、絶対に外せない。半面、反倫理的でもあるため、大口スポンサーが存在したら、カットを要求したかも知れない。もっとも、この場面がなかったら、この作品は台無しになっていた。

 動画用に制作・配信され、のちに深夜ドラマとして放送されるケースもある。通常のケースとは順番が逆。フジがFOD用などに制作し、2020年4月から同6月に配信した現代版「東京ラブストーリー」(水曜深夜0時25分)もそう。

 主人公・永尾完治に扮したのは伊藤健太郎(24)。配信後の同年10月、伊藤はひき逃げで逮捕されてしまったものの、不起訴に。事故の相手とも示談が成立している。もはや放送することに問題はない。

 動画配信では既に流された作品とはいえ、放送は初めてだから、これを伊藤の復帰作と呼んでもいいのではないか。なお、ヒロイン・赤名リカは石橋静河(27)が演じた。

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