解散直前に東京8区で醜い争い…れいわ「山本太郎」と立民「枝野幸男」不仲の原点とは

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「ケチなこと言ってんなよ!!」

 枝野氏が初代代表となった立憲民主党の支持母体・連合(日本労働組合総連合会)には、電力会社の労組が含まれている。連合は反原発運動には否定的な立場であり、それに枝野代表も従っている。

 つまり、少なくとも原発問題に関しては、枝野代表と山本代表は“水と油”の関係というわけだ。

 そんな2人の立ち位置の違いを報じた記事がある。2012年2月、日刊スポーツは「山本太郎『収入10分の1、恋人も失った』」との記事を掲載した。

「当時の山本さんは、まだ『反原発運動に携わる俳優』でした。その頃、経産省前には反原発のグループがテントを設置して泊まり込んでいて、これに経産相だった枝野さんは防犯上の理由から撤去命令を出した。都内の書店で自著の発売イベントに出席した山本さんは報道陣の前で、『撤去の意味が分からない。少しぐらい懐の深いところを見せろよ!』、『ケチなこと言ってんなよ!!』と激怒し、その様子が報じられたのです」(前出の記者)

 反原発デモで先頭に立つ山本代表は、福井県にある大飯原発の再稼働問題でも猛烈な批判を繰り広げた。

結局は野合?

「枝野さんは、山本さんに散々足を引っ張られたという思いがあります。2人はお互いを嫌っているというよりも、枝野さんが山本さんを相手にしないという感じです」(前出の立憲議員)

 山本代表は2013年の参議院選挙に出馬し、初当選を果たす。そして6年後の参院選では「れいわ新選組」の代表として再選を目指した。

 立憲民主党より左寄りの公約は、かなりの支持者を集めた。大手マスコミも無視できなくなり、「れいわフィーバー」、「れいわ旋風」と報じた。

「最初は『掲げる政策が極端だ』と冷笑的だった立憲も、参院選で自分たちの票が食われたことで態度を改めました。それでも原発問題だけでなく消費税減税でも政策的な隔たりは相当なものがあり、紆余曲折を重ねました。今回の総選挙を前にして、やっとのことで共闘が実現しましたが、東京8区のゴタゴタは改めて山本さんと枝野さんの溝が相変わらず深いことを浮き彫りにしたわけです。今後も2人は、うまくいかないでしょう」(同・立憲議員)

デイリー新潮取材班

2021年10月16日掲載

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