中日と楽天の「ドラフト」に大いなる疑問…偏りすぎた指名で大丈夫なのか？
この順位で指名する必要があったのか
中日に次いで気になったのが、楽天だ。1位で高校生外野手の吉野創士（昌平）、2位では強打の捕手である安田悠馬（愛知大）、3位でまたしても高校生外野手の前田銀治（三島南）と野手を揃えた点でも、他の球団とは大きく異なっている。
いずれも長打力のある選手だが、やはりこの順位で指名する必要があったのかという点は大きな疑問だ。チームは右の強打者タイプが必要ではあるが、これまでにも内田靖人やフェルナンド、オコエ瑠偉、岩見雅紀といった選手を指名しながら戦力にできていないというのも気になるところである。
さらに4位以下で指名した泰勝利（神村学園）、松井友飛（金沢学院大）の投手2人も典型的な0か100かというタイプであり、唯一の社会人である7位の吉川雄大（JFE西日本）も大学卒3年目ながら今年の都市対抗予選では登板がなく、決して完成度が高いとは言えない選手である。
これだけ粗削りな選手を揃えた指名も珍しいだろう。もしこれが西武のように強打者タイプを主力に育ててきた球団であれば納得もいくが、前述したように楽天はそうではない。難しい課題にあえて取り組もうというチャレンジ精神は評価できるかもしれないが、やはり、ある程度の完成度も求める必要があるのではないだろうか。
ドラフトの結果は5年から10年経たないと分からないと言われるが、その球団の狙いについてはやはり指名した段階で評価すべきである。そういう意味では中日、楽天の2球団は大いに疑問が残る2021年のドラフトだったことは間違いないだろう。
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