「真似されるのも政治家の才能」清水ミチコがものまねしたくなった総裁選候補とは

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 兎(と)にも角(かく)にも、約1カ月にわたって世間の耳目を集め続けた自民党総裁の椅子をめぐる永田町群像劇。それはこの人にとって、またとない「おいしいネタ」だったようだ。ものまね界の大御所、清水ミチコさん(61)。彼女独特の視点で捉えた「ものまね総裁選」。

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 河野さんの出馬を知った瞬間、「これはおいしい状況だな」と感じました。

 河野さんの話し方って、少し空気を含んだような声で、「サ行」の発音が強く、そして何よりも日本語なのに「英会話感」が漂ってくる。とにかく「強い男性政治家」という印象が強烈で、真似しやすいんです。

 河野さんが脚光を浴びたことは、私に限らずものまね芸人にとって「おいしい」としか思えなかったんじゃないですかね。おいしいとは、この人を真似したら面白いだろうなということであり、つまり、多くの人々が共感してくれる状況が生まれたということです。

 それと比較すると岸田さんは、うーん……。私には真似するのは難しいんじゃないかな。声に「俺が」というものがない気がするんです。「俺が」「私が」という強い自己主張を、ちょっと“冷やかす”。それがものまねの面白いところだと思うんです。でも、岸田さんにはそれが感じられない。真似してみたところで張り合いがないというか、品が良すぎるのかも。岸田さん、本当にものまね芸人殺し! そんなこと言われても、岸田さんも困るでしょうけど。

 他に、総裁選に出馬した4人の中では高市さんのものまねもさせてもらっています。彼女にも、「私に任せてください」という強さを感じます。「サナエノミクス」とか、言葉選びのセンスにも特徴がありますよね。少し舌足らずで声がこもっていますが、その喋り方に「私が」という自信を感じるんです。多分、学級委員肌なんじゃないかな。女性のリーダーって、真面目だし正義感が強いところがある。そういう部分があると真似しやすいんです。

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