「ドラクエとSNSに夢中」 歌手・あべ静江が語る充実の「おひとりさま」生活

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 たとえば、ペットボトル箱のときに“助っ人”にしたのは、近所に住むスタッフではなくてゴムで薄手の使い捨て手袋でした。ゴム手袋をはめるだけで以前のように難なく箱を持ち上げられたんです。箱の側面をギュッと掴んで固定する筋力が落ちていたところ、ゴム手袋が滑り止めの役割を果たして持ち上げやすくなったのだな、と。

 50代からは自分の着る服もオリジナルでデザインしています。最も大事にしているコンセプトは“なるべく楽に過ごせる服”。さらに言うと、いまの私は365日、短パンで過ごしているんです。プライベートだけでなく、仕事の打ち合わせで外出する際も短パン。上着としてブラウスやカットソーを羽織りますが、下半身は短パンに、爪先が自由なトレンカレギンス&スニーカーが定番になっています。この短パンは裾の幅や長さを何度も調整して、最も脚を動かしやすいサイズを作り上げました。きっと……70歳になってもこのスタイルはやめられないでしょうね。

 コロナ禍の影響で、仕事を奪われた方は多いと思います。私も昨年3月頃から軒並み仕事がなくなりました。おひとりさまで暮らしている以上、収入が絶たれたら生活が立ち行かない。他の仕事に就けるか真剣に考えて、コンビニの求人内容を調べたことも。アルバイトをするにも、年齢によって制限があると初めて学びました(笑)。

 ただ、私には、幸いにもまだ仕事のオファーがありますし、応援してくれるファンの方もいらっしゃいます。歌手デビュー50周年を迎える再来年までにコロナが収まってくれるとありがたいですね。

 私たちの世代は、他の世代と比べて人口が多く、高齢化社会に拍車をかけている面があると思うんです。だからこそ、私たちがいろいろなことにチャレンジし続けて、幾つになっても若々しくステップアップする姿を示せたら素敵だなと思っています。そういえば、今度、同世代の女性の皆様も誘って少林寺拳法を習い始めようと思ってるの。おひとりさまを寂しがってるヒマなんてありませんね。

あべ静江
歌手。1951年生まれ。73年に歌手デビューし、「コーヒーショップで」、「みずいろの手紙」がヒット。翌年にNHK紅白歌合戦初出場を果たす。女優としても映画、テレビドラマに多く出演し、現在、歌謡ショーなどで活躍。

週刊新潮 2021年9月30日号掲載

特集「誰もがいずれは独り身に…1億総『おひとりさま』時代に『孤立無援』ではなく『個立有縁』」より

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