ドラフトで大注目! “大化け”が期待される高校生「6人の有望株」

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強い体と高い運動能力

 一方、野手をみると、前田銀治(三島南)が大化けの期待が集まる候補筆頭だ。今年の選抜で、三島南の試合を取材した際に、前田のシートノックでの動きと強肩に驚かされた。181cm、89kgというラグビー選手のような体格から繰り出される動きには躍動感が溢れ、センターからの返球は低い軌道で勢いがあった。バッティングは、タイミングのとり方に余裕がなく、粗削りだったとはいえ、打球の速さにインパクトがある。強い体と高い運動能力に、技術面が追いつけば、大きな成長が期待できる選手だ。

 右の強打者タイプでは、もうひとり。渡辺大和(高野山)が楽しみな存在だ。177cm、95kgという巨漢を生かしたフルスイングは迫力十分。パワーだけでなく、スイングに柔らかさもある。前出の前田と比べると、守備や走塁に目立つところがなく、打撃に特化した選手と言えるが、プロでは同じタイプのリチャード(ソフトバンク)にブレイクの兆しが見られる。こうした点を考慮すると、渡辺にとってプロ入りへの追い風になりそうだ。

 今回紹介した選手は、大学や社会人を経由して高い順位でプロ入りを目指した方がリスクは少ないという指摘もある一方で、プロの環境でしっかり鍛えることで才能が大きく開花する可能性を秘めている。ドラフト会議で、ここから一人でも多くの名前がアナウンスされることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月4日掲載

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