警察官が警察官を騙し「5800万円」詐取 天下り先「交通安全協会」の“立て替え制度”を謳い文句に

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“立て替え制度”

 Y氏は県警を定年退職後に「愛知県交通安全協会」へと天下り、5年で任期を終えている。15年2月、被害者は、協会を離れたばかりのY氏から協会の“立て替え制度”について聞かされた。

「“職員は出張時、新幹線代を自腹で支払い、後で精算しなければならない。しかし、職員が手元不如意(ふにょい)の場合もある。それに備え、第三者が新幹線代を一括で立て替えた場合、30万円につき1万円の謝礼がもらえる”と」

 Y氏から制度への協力を頼まれたので、被害者は自身のクレジットカードで新幹線チケット31万800円分を購入。Y氏から謝礼を受け取った。元本は、後日、Y氏から銀行口座に入金された。

 以降、足が不自由な被害者に代わってY氏が被害者のクレカでチケットを買うようになったのだが、Y氏は、領収書分以外にもチケットを買い、金券ショップで換金していたのである。

 最終的に、騙し取られた立て替え代金は踏み倒された分も含め3250万円。そのほかにも、Y氏の実弟が経営する建設会社のつなぎ融資として2550万円を貸し付けている。このつなぎ融資の口実も真っ赤なウソだった。被害総額は5800万円。19年11月、被害者はY氏を詐欺容疑で刑事告訴した。

週刊新潮」2021年9月23日号「MONEY」欄の有料版では、被害者が騙された手口と刑事告訴に至る経緯を詳報する。

週刊新潮 2021年9月23日号掲載

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