事件現場清掃人は見た マンションの同じ部屋で「70代男性」が“連続孤独死”の怪

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言葉が出ない

「同じ不動産会社から仕事の依頼があったのです。話を聞いて、愕然としました。4カ月前に特殊清掃したばかりのこの同じ部屋で、また70代男性が孤独死したというのです。話を聞いた時は、しばらく言葉が出ませんでした」

 高江洲氏は、訝りながら現場に向かった。

「遺体は、死後数日経って発見されたそうですが、夏場でしたので腐敗が進み、床を張り替える必要がありました。同じ部屋で同じ作業を繰り返すなんて、初めての経験でした」

 亡くなった男性は、前の住人と同様、足が不自由だったという。

「部屋に、前回の時と同じく手押し車と杖がありました。部屋には開封されていないダンボール箱が5、6個ありました。新たに買いそろえた食器類もあり、洋服ダンスには、数は少ないものの、清潔な衣装が並んでいました」

 実はこの男性も、生活保護を受けていたという。

「不動産会社の話によると、このマンションの住人の多くが生活保護を受けていると聞かされました。しかもほとんどが高齢者だそうです。そのため、ここでは孤独死は珍しくないそうです」

 高江洲氏が手掛けた2回の特殊清掃の費用は誰が払ったのか。

「2人の男性は、どちらも孤独死保険に入っていました。いつ亡くなってもいいように、きちんと準備されていたわけです。どんな気持ちでこの部屋で過ごしたのでしょうか。そう考えると少し切なくなりましたね」

デイリー新潮取材班

2021年9月24日掲載

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