【総裁選】高市早苗が2位?岸田陣営に衝撃 「お公家集団」宏池会の悲劇は繰り返されるか

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高市2位の可能性

 人格者として知られた谷垣禎一は、下野して意気消沈の自民党を総裁として支えたが、政権復帰する前にその座から引きずり降ろされている。

 さかのぼると、第2代会長の前尾繁三郎も二回最高権力者の座に手をかけたが、一度は総裁選に落ち、一度は「人事の佐藤」と呼ばれた佐藤栄作総理の計略にはまって無念の涙をのんだ。

 宏池会の歴史を見ると、政治は畢竟、権力闘争であるという厳しい現実に否応なしに気付かされる。

 その上、いまの高市の勢いを見ていると、高市2位、岸田3位という可能性も出てきた。毎日新聞が18日に行った世論調査では、自民党支持層のうち高市支持が25%、岸田支持が14%となり、高市は岸田を大きく引き離している。こうなると、一回目投票での岸田票は決選投票で高市に流れることになり、先輩の加藤・谷垣よろしく総理の座に手が届かない可能性が出てきた。

 岸田陣営のうち岸田派以外の議員からは「これだから宏池会は……、ユルむってのが宏池会らしいよな」と、お公家集団への苦言も出てきた。

 火事は最初の一分、選挙は最後の一分との言葉がある。

 岸田が少しでも気を緩めると、猛追する高市の軍門に下る可能性がある。

 またしても、最も総理に近い男が煮え湯を飲まされる宏池会の歴史が繰り返されるのだろうか。

武田一顕(たけだ・かずあき)
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。

2021年9月20日掲載

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