「高市早苗」 初の女性首相・総裁を目指す中で振り返った同じ衆院議員の夫との離婚

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洗濯機を回し、アイロンをかけていた時

「もう2週間くらい経ちますかね。2人で暮らしている議員宿舎で夕食が終わり、主人がテレビを見ている横で、私が洗濯機を回したり、アイロンをかけていたりしたところ、突然、切り出されたんです。“ずっと我慢してきた”って。自民党が都議選に負けた後、党内で色々と意見が飛び交っていた頃合いでしたね。そんなときでも、私が3年近く閣内にいるため、言いたいことも言えなかったようなんです。“勉強会を立ち上げるのも我慢したし、政策を考えても言えなかった”って」

 ため込んだ不満を一気に吐き出した夫の突然の言葉に色を失った彼女によると、その後の流れはこんな具合だった。

「話の流れの中で“夫婦じゃなくなったら、あなたはもっと楽になれるんだよね”って、私の方から先に言っちゃったのかな……。それで、主人はドライですから、そのまま離婚届に判を押すことになったんです」

 13年という時間の中にあった選良同士ゆえの悩みについては。

「2012年の総裁選のときは辛かったですね。私は安倍さんを、主人は石破茂さんを応援した。総裁選は戦いですから、家の中でも相手陣営に情報が漏れないよう注意しなければならなかった。主人に携帯を見られないようお風呂場まで持っていったりしてね。その時期は、夫婦でほとんど会話もできず、しんどかった」

 と振り返る。その一方で、

「義理の母が昨年11月に亡くなり、5月に納骨式がありました。そのとき“あぁ、私もこのお墓に入るんだな”なんて思っていたんです」

「高市支持」を表明した夫

 夫から別離を切り出されたのは、そんな風に愛を実感した日からわずか2カ月後のことだった。永田町だからというわけではないが、まさに一寸先は闇である。

「離婚の原因は、主人に嫌な思いをさせていた私にある。なんだか未練がましいですが、今はとても残念な思いでいっぱいです」

 高市氏が経験した失意の時期からおよそ4年。女性として初めての首相・総裁候補として名乗りを上げようとしている。そして伴侶だった山本氏はいち早く「高市支持」を所属する二階派のボス二階俊博幹事長に伝えている。夫婦関係は終わっても同志愛は続くということだろうか。

デイリー新潮取材班

2021年9月6日掲載

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