今年の「24時間テレビ」に欠けていたもの 五輪「スケボー」と同じ視聴率の意味は

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 8月21日から22日にかけて放送された「24時間テレビ 44」(日本テレビ)の世帯平均視聴率は12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だった。昨年の15.5%より3.5ポイント下がり、92年のリニューアル後では下から2番目……なぜ惨敗に終わったのか。

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 今年の「24時間テレビ」は、新型コロナの緊急事態宣言中であることに加え、直前に大イベント「東京五輪」が開催されるなど、難しい年であったことは間違いないだろう。

 それでも、世帯平均視聴率12.0%、個人平均視聴率7.0%は近年稀に見る低い数字と、日テレ関係者は言うのだ。

「『24時間テレビ』は、ドラマやニュースは別にして、番組を10のPartに区分けして、それぞれの平均視聴率を出しています。毎年、土曜日のオープニング(Part1)でスタートダッシュして、ドラマを高視聴率に上げ、日曜日の夕方からメインパーソナリティも加わる『笑点』など(Part9)から数字を上げて、マラソンランナーがゴールするエンディング(Part10)で大団円を迎えるというのが基本パターンでした。ところが今年は、21日18時30分からのオープニングで視聴率14.2%と、近年稀に見る低空スタートとなった。平野紫耀と浜辺美波を抜擢したスペシャルドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』も15.3%に留まり、それぞれのPartが20%を超えることはありませんでした」

キンプリでは弱い

 デイリー新潮は「『24時間テレビ』に漂う暗雲 目玉の『生徒が人生をやり直せる学校』は不運の連続」(8月21日配信)で日テレ関係者が語る“嫌な予感”を報じたが、まさしくその通りとなってしまった。

 近年の24時間テレビと比べてみても、その差は歴然だ。

「日頃、日テレは13~49歳のコアターゲット層の視聴者を狙う方針を採っているのですが、『24時間テレビ』は大票田であるM3、F3層(50歳以上の男女)に頼らざるを得ません。この世代に対して、メインパーソナリティーがKing & Princeでは弱い。いくら若い女性に人気があると言っても、50歳以上の人が見たいとは思わないでしょう。奇しくも、東京五輪で世帯平均12.0%、個人7.1%とほぼ同率だったのが、『スケートボード決勝~表彰式 男子ストリート』(NHK総合:7月25日)でした。この競技も多くの若い人が見た印象ですからね。『24時間テレビ』にはサポーターが必要でした。キムタク(木村拓哉)を出せとまでは言いませんが、それくらいの大物が出演しなければF3層は呼び込めません」

 そのせいなのか、裏番組が健闘したという。

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