今年の「24時間テレビ」に欠けていたもの 五輪「スケボー」と同じ視聴率の意味は

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ハラハラドキドキがない

「土曜日はテレ朝の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん 夏休みSP』(18:56~20:54)が11.7%、続く『サタデーステーション』(20:54~21:55)も12.2%と、『24時間テレビ』Part1に迫りました。同様にNHK総合の『ブラタモリ』(19:30~20:15)も12.4%と、年に一度の『24時間テレビ』が普段通りに放送する裏番組に勝てなかった。日曜日も同様でした。そのため社内的には、十数年ぶりに“表彰なし”となりました」

 やはりメインパーソナリティーが弱かったということか。

「キンプリにはまだ時期尚早だったということです。今年よりも平均視聴率が低かったのは04年の11.7%で、メインパーソナリティーは嵐でした。嵐は何度もメインを務めてきましたが、この年が初めて。17年前はSMAPが現役で、彼らはまだ国民的スターと呼ばれるほどではなかった。ちなみに翌年のメインは草なぎ剛士と香取慎吾で、平均視聴率は19.0%と歴代最高の数字です。あらゆる世代の視聴者を得るには、人気急上昇中というアイドルには、まだ荷が重いということです」

 もちろん、他にも原因はあるという。

「コロナ禍でもあったので、キッチリ進行しようとしたのだと思いますが、ハラハラドキドキ感がありませんでした。悪天候でチャレンジを断念するとか、チャレンジできても失敗するとか、マラソンのゴールにもそれが如実に表れていました」

 昨年に続き、今年も公道を使ってのチャリティーマラソンではなく、募金ランだった。

「今年は福島のJヴィレッジのコースを11人のリレー形式で約100キロ走るというものでした。東日本大震災から10年ということで、福島で走ることに意義はありました。とはいえ、無い物ねだりかもしれませんが、放送時間内にちゃんと武道館に着くのかといった見逃せない感はありません。昨年の募金ランは初の試みであり、果たしてどんな形になるのかという興味もありましたし、日本国民が大好きなQちゃん(高橋尚子)がどんな走りを見せるかという期待もあった。2度目の今年は既視感ばかりか、荒川静香ではQちゃんの代わりは務まりませんし、時間通りに仲良くゴールした瞬間には鼻白んだ視聴者も少なくなかったかもしれません」

 もっとも、今年の瞬間最高視聴率23.4%は日曜20時49分で、最終走者のTOKIO城島茂がゴールを切った時だった。

「福島の募金ランの映像と共に、加山雄三さんと谷村新司さんで『サライ』が歌われる映像も流れる中、アナウンサーが番組を締めくくっていましたが、そのアナウンスは聞き取れませんでしたね。むしろ、ちょうどその頃に撮影されていたと思われるYouTube動画のほうが、よっぽどスリリングでしたよ」

 22日に公開されたYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」では、“24分間テレビ~石橋が地球を救うかも。”と題し、20時半から石橋貴明が走り始めた。ゴール地点では谷村に扮した木梨憲武と、加山のモノマネを得意とする「ゆうぞう」が待ち構えていた。

「久しぶりのとんねるず復活に、ファンは“神回”とまで呼んでいました。しかし、『サライ』を熱唱するノリさんの前にタカさんは現れず……最後までハラハラさせつつ笑わせてくれました。日テレにとって『24時間テレビ』は“何が何でもやる”番組ですから、今後も続けるのでしょう。ならば、92年に小杉善信前社長がマラソンを加え『サライ』を作らせてテコ入れしたように、リニューアルが必要な時期にきているのかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年8月25日掲載

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