【韓国】 8月15日に竹島上陸を敢行した国会議員の裏事情と各民間企業の反日記念アイテム

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「韓国の美しい島、独島」という文言

“独島 肉たっぷりイカプルコギ”と名付けられた弁当は、鬱陵島で好んで食べられているイカや筍入りの弁当で、この弁当のパッケージには“独島”と共に太極旗を持ったアシカも描かれている。ご丁寧に英語・日本語・中国語で「韓国の美しい島、独島」という文言も書かれており、“独島”が韓国領であることが強調されている。因みに、CUで販売された独島関連商品の販売収益金の一部は「社団法人独島愛運動本部」に寄付され、独島守護活動などに使用されるそうだ。

 パッケージにアシカを描いた意図として「独島のアシカは日本人によって虐殺され全滅した」ことを主張していると思われる。しかし、韓国による竹島不法占拠後にもアシカの生存は確認されており、独島警備隊員が射撃訓練のためにアシカを狙って殺害したり、“海狗腎(生殖器)”や肉を政府高官や軍の上層部に上納していたりしたことが、他ならぬ韓国民によって既に証明されている。CUは、アシカの絶滅責任を日本になすりつける歪曲パッケージを制作・販売していることになる。

 これらの企業が8月15日の光復節に合わせて竹島を持ち出す背景には、「日本侵略の犠牲となった最初の領土=独島」という考えがあるからだ。これは、1905年に明治政府が正式に竹島を島根県に編入したことを1910年の日韓併合に結び付けた韓国側の勝手な解釈で、韓国企業が光復節に合わせこのような“独島キャンペーン”を行うことにより、誤った認識を広めることにつながる。そもそも、「独島は韓国領だ」と主張すること自体が根本として誤りなのだが……。

民間企業の経済活動に口を出すのは難しいが

 余談ではあるが、CUの前身はファミリーマートだ。日本でも大ヒットした韓国映画「私の頭の中の消しゴム」の最終シーンにも登場するため、ご存じの方も多いだろう。

 ファミリーマートは1990年から晋光グループ(サムスングループ系)とフランチャイズ契約を結んで韓国内に店舗を展開していたが、2014年に提携を解消。この時、CU側は「これ以上日本企業の世話にならなくてもいい」「韓国コンビニ業界1位が、日本の業界3位に学ぶことはない」と啖呵を切ったと伝えられている。CUが“独島”商品を積極的に取り扱う背景には“日本企業の力で成長した”という韓国民の認識を払拭したい思惑があるのではないだろうか。反日色の強い昨今ならば尚更だろう。

 最後に日本側の対応を見ておこう。冒頭に挙げた洪碩晙議員の竹島上陸に対し、日本の外務省・船越健裕アジア大洋州局長は在日韓国大使館の金容吉(キム・ヨンギル)公使に「事前抗議と中止要請を行ったにもかかわらず、韓国の国会議員の上陸が強行された。竹島は歴史的事実に照らし合わせても、国際法上でも明らかに日本固有の領土だ。非常に遺憾である」と抗議した。

 しかし、韓国の民間企業や団体らが行う“独島”商品販売に関して日本政府は音なしの構えだ。民間企業の経済活動に口を出すのは難しいという面がある。もっとも、日本政府が下手に動くとそれはそれで彼らに格好の燃料を与えることにもなりかねない。かくして、竹島にまつわる間違った歴史認識はさらにかの国で定着していくのである。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年8月21日掲載

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