「環境大臣」「のりピー」が広告塔 化粧品マルチ「ジェイコスメ」の美しくない詐欺的自転車操業

ビジネス 企業・業界 2021年08月13日

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べらぼうな高配当

 マルチ企業の一つが破綻しかけた状態で、あらたな被害者が量産されかねない事態が生じている。「ジェイコスメ・ジャパン」(東京・銀座)なる化粧品を扱う企業だ。同社のビジネスモデルは、早々に行き詰まるのは明らかというほかないシロモノである。

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 ジェイコスメは、2015年10月、大手化粧品メーカー「ノエビア」を経てマルチの世界に飛び込んだ菅原淳司会長によって設立された。

 その商法は、まずジェイコスメが販売する1万円程度の化粧品などを購入し、「会員」に登録。会員となれば1口10万円の出資ができ、1年満期で14万ポイントの「返戻金(へんれいきん)」と呼ばれる配当が支給される。

 ポイントは化粧品などの購入や同額の現金への交換が可能で、銀行の定期預金金利が0.01%のご時世に40%というべらぼうな高配当なのだ。当然、大半の会員が換金を選んだ。

顧問弁護士

 また、ジェイコスメは会員募集のため、例年、年始と夏、秋の3回、コンベンションを開催。参加資格を得るには200万ポイント以上を獲得するか、2万5000円を支払わなければならない。芸能人が出演する催しに参加するため、多くの会員が出資を積み増ししたという。

 コンベンションに出た芸能人の顔ぶれは、酒井法子に山本リンダ、錦野旦、千葉真一ら。持ち歌を披露し、ジェイコスメの素晴らしさをアピールしたが、最大の「広告塔」を担ったのは原田義昭前環境大臣。コンベンションでは乾杯の音頭取りをし、ジェイコスメの顧問弁護士まで務めていたのである。

 そんなマルチ企業は、事業拡大の一環として仮想通貨に進出したことを機に、衰退の道を歩む。だがそんななかでも、菅原会長の億単位の報酬、10人足らずの社員の人件費や多少の化粧品などの仕入れ代以外、出資金の大半は即、配当や紹介料に回していた。

 要は、詐欺的自転車操業を続けていたわけだ。となれば、広告塔の芸能人や原田前環境大臣へのギャラも「騙し取ったカネ」から充てがわれたことになる。

週刊新潮」2020年2月27日号「MONEY」欄の有料版では、ジェイコスメによるマルチ商法の実態を詳報する。

週刊新潮 2020年2月27日号掲載