阪神は優勝へ突き進めるか? 巨人猛追で“不安要素”も続出、後半戦のキーマンは

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 開幕から順調に勝ち星を重ね、セ・リーグ首位で前半戦を終えた阪神。毎年、チーム方針や采配に関する批判が出ることで知られる「阪急・阪神ホールディングス」の株主総会でも、球団に対する質問が出ないという“異例の事態”となり、それだけ株主やファンの満足度も高いと言えるだろう。しかし、株主総会後の6月下旬からは2位の巨人、3位のヤクルトとのゲーム差は徐々に縮まってきており、不安の声も聞こえてきている。阪神が抱える不安要素、16年ぶりの優勝に向けてのポイントを探ってみた。

中継ぎ陣は苦しい状況

 まず、気になるのがチームの強みと見られていた投手陣に綻びが出つつある点だ。チーム防御率は巨人、中日と並んでセ・リーグトップを争う数字をマークしているが、リリーフで安定した成績を残しているのは、抑えのスアレスだけで、中継ぎ陣は苦しい状況にある。

 特に気がかりなのが、セットアッパーの岩崎優だ。ここまでチームトップのホールド数をマークしているものの、昨年までのような安定感はなく、6月に一度二軍の調整を挟んだ後も調子が上がる気配が感じられない。東京五輪が開催される影響で、シーズンは長い中断に入るが、岩崎は侍ジャパンに選出されているため、その期間を調整に充てることができない。これも痛いところだ。

 馬場皐輔、斎藤友貴哉、及川雅貴などに成長が見られるのはプラス要因ではるが、セットアッパーを任せるだけの安心感はまだまだない。それだけに、岩崎の復調がなければ、終盤の競り合いを勝ち切れない試合が増えてくるだろう。

 ここまでチームを支えてきた先発陣にも不安要素はある。現在チームの勝ち頭となっている青柳晃洋も侍ジャパンに選ばれているが、貴重な変則タイプだけに大事な場面で起用されることが予想される。青柳が大きな国際大会で日の丸を背負うのは初めて。そのプレッシャーと疲労は経験したことのないものだろう。これまでも国際大会をきっかけに調子を落とす投手は少なくなく、シーズンの後半戦に影響が出ないのか、かなり心配だ。

 また、ガンケルとルーキーの伊藤将司は1年を通じてシーズンを投げ切ったことがなく、徐々に調子を落としているのも気がかりだ。経験のある西勇輝と秋山拓巳がいるため、リリーフほどの不安は感じないが、それでも前半戦と同じような成績を残すのは簡単ではないだろう。

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