篠原涼子、鈴木保奈美が離婚…なぜ彼女たちの“略奪婚”は上手くいかなかったのか?

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 略奪婚は、結局うまくいかないものなのか。この度二つの略奪婚疑惑があった夫婦が離婚した。石橋貴明さん・鈴木保奈美さん夫婦と、市村正親さん・篠原涼子さん夫婦である。両者とも夫側の前妻との婚姻関係中に交際が始まったのではないかと、結婚当初から「疑惑の目」で見られていたカップルだった。離婚というニュースが流れたとき、本当に余計なお世話だが「やっぱり」と思った人は私だけではないのではないか。

 略奪婚疑惑の他にも、この2組には共通点も多い。夫は話し上手なエンターテイナーであるということ。妻は数々のドラマで当たり役を持つ人気女優であり、夫の前妻よりも知名度が高い女性だったということ。そして今回、円満離婚を強調していることだ。夫婦ともに有名人の場合、泥沼離婚で好感度を下げるのはどちらにとっても得策ではない。結婚の時もネガティブな噂があったカップルだからこそ、終わりの時こそはと慎重になるのは当然だったように感じる。「新たなパートナーシップを築いて参ります」「新たなカタチのパートナー」と、単なる離婚報告ではなく、互いのビジネスを優先した発表のように見受けられる。

 結婚当時のインタビューを見ると、どちらも男性側の猛アプローチがきっかけだったと報じられている。芸能界でのキャリアが長い人気者で、サービス精神も旺盛な男性たち。それだけ人の心をつかむスキルに長けているからこそ、結婚していても、あるいは離婚間もない時でも、若い人気女優と恋愛関係になることができたとも言える。ただ長所は裏返せば短所にもなるのはよくあること。そのサービス精神が、「うるさい」「自分のペースを乱される」ともなれば嫌気が差すだろう。

 鈴木さんも篠原さんも、自宅を出て自分のマンションで暮らしていることが数年前から報じられてきた。鈴木さんは林真理子さんと昨年対談し、「自宅に自分の部屋がない」と語っている。昨年は個人事務所も設立しており、自分の時間を持つ準備を進めてきたのではないだろうか。

 一方の篠原さんは「夫がばーっと家でしゃべっているからしゃべれない」と、バラエティでこぼしていた。かつて大原麗子さんが離婚会見で、「家庭に男が2人いた」と話して話題になったが、鈴木さんや篠原さんは理解できるのではないだろうか。トップ女優としての才能はもちろん、プライドも負けん気も並大抵の女性ではないはず。といっても若くて華のあるヒロインは毎年出てくるし、理想のお母さん的な親近感で売るタイプでもない。芸能界はコロナ禍で縮小ムードだ。鈴木さんは54歳、篠原さんは47歳。ならば芸能界であとひと勝負かけるのなら今しかないという、自信と焦りの瀬戸際だったからこそ離婚に踏み切ったのではないだろうか。

略奪する女に因果応報の言葉なし? 恋愛でのバイタリティで仕事も輝く女性たち

 略奪婚はバチが当たると一概には言えないが、芸能界を見ていると波乱の大きいカップルが目立つのは確かだ。ミスチルの桜井和寿さんやKEIKOさんは病を患い、小室哲哉さんや布袋寅泰さんは逮捕や警察沙汰を起こしている。松田美由紀さんや椎名林檎さん、吉田美和さんは、相手が若くして亡くなった。中でも最も有名なのはオノ・ヨーコさんだろう。

 しかし芸能界を引退した場合は別として、パワフルに活躍し続けている面々ばかりとも言える。それだけのバイタリティがあるからこそ、恋愛に注ぐエネルギーも常識外で魅力的に映るに違いない。

 今回の2組の離婚に関しては、「家庭的な妻を求めた夫と、その束縛を嫌った妻」という構図の後追い報道が出た。夫寄りの視点から見れば家庭を顧みない自分勝手な妻だし、妻寄りの視点から見れば女優という仕事に理解のない古臭い夫、ということになる。ただ、そもそも家庭的かどうかよりも、女優としての華やかな経歴とパワーを持っていたからこそ、略奪婚疑惑を押し切ってでも結婚したのではなかったか。社会的知名度が高い妻を持ち、鼻高々な時もあったはずだ。石橋さんも市村さんも、今後も女優としての妻を応援するというスタンスを発表している。鈴木さんの著書を読むと、料理好きの夫や掃除に奮闘する鈴木さんの様子も描かれ、むしろきっちり家庭のことをこなそうとしてきた姿勢が伝わる。何より本人たちが円満だと言っている以上、仕事と家庭のバランスの実情は部外者が推測するのは野暮である。

 東京五輪の開会式では、ジョン・レノンさんとオノ・ヨーコさんの共作「イマジン」が使われた。世間に何を言われようとも自分の道をひた走ってきた鈴木さんや篠原さんにとっては、アンセムに聞こえたのではないか。何事にもパワフルな彼女たちのこと、再びメディアを席巻するような活躍を見せてくれることは間違いない。いや、結果を残さずに終わってたまるかという気持ちでいることだろう。アスリートだけでなく、彼女たちの戦いも始まったばかりのようだ。

冨士海ネコ

2021年7月29日掲載

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