聖火点灯ランナー「大坂なおみ」に決まる前の最有力候補は

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多様性と調和にピッタリ

 開閉会式を運営するチーム側にドタバタが続く中、聖火点灯ランナーは誰になるかについて世間の注目が集まっていた。フタを開ければテニスの大坂なおみ選手だったわけで、世界的な知名度や五輪のコンセプトに最適の人選だと捉える方も多いだろう。が、実はある時期までは違うアスリートが最有力候補としてリストアップされていたという。

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 開会式で行われた聖火リレーは、五輪金メダリストの吉田沙保里、野村忠宏の両氏からミスターこと巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏へつながれ、これをミスターと巨人軍の黄金時代を支えたソフトバンク会長の王貞治氏、そしてミスターが育て上げた松井秀喜氏が運んだ。この国民栄誉賞トリオからコロナ禍で奮闘した医療従事者、被災地の子どもなどを経て、最後に聖火を受け継いだのが大坂なおみ選手だった。

 取材する記者によると、

「事前の予想では、フィギュアの羽生結弦選手などの名前もあがっていましたね。大坂選手の父親はハイチ出身のアフリカ系、母親は日本出身、本人は日本国籍で世界を股にかけて活躍しているということで、大会の基本コンセプトに掲げられるダイバーシティ&インクルージョン(多様性と調和)にピッタリの人物だということなのでしょう」

 2018年の全米オープンで優勝し、日本人として初めてグランドスラムを制覇した。19年には世界ランキング1位に立つ一方、昨夏には人種差別に抗議するBLM運動に賛同してアピールを行ったり、今年の全仏オープンでの記者会見を拒否して罰金処分を受け、棄権したことが大きなニュースとなったりと、その発信力の高さは世界的に注目されてきた。

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