「コンビニコーヒー」定着10年 スムージーにコラボフラッペ…カウンタードリンクの最新事情

エンタメ 2021年7月17日掲載

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 毎年この時期になると、コンビニのアイスコーヒーを飲む機会が増える人も多いだろう。歴史を振り返ると、2021年は、コンビニコーヒーが今のような身近な存在になって10年の節目といえそうだ。最近はコーヒーのみならず、フラッペやスムージーなど新たな商品もつぎつぎと生まれる「カウンタードリンク」事情を取材した。

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 ファミリーマートは7月17日より、森永とコラボした「森永ミルクキャラメルフラッペ」「森永ラムネソーダフラッペ」を発売する(それぞれ276円、320円 税込8%、以下同)。これに先立つ7月3日には、カルピスとコラボした「カルピスフラッペ」(298円)も登場。誰もが知っている定番商品を、冷たいフラッペとして楽しめる商品だ。

 ファミリーマートの担当者は、

「カウンタードリンクにおける差別化商品として、フラッペに力を入れてきました。今年は社の創立40周年ということもあり、特別なコラボ商品として企画しました」

 と説明する。4月にはゴディバが監修したチョコレートフラッペも登場しており、人気ブランドとのコラボに力を入れているようだ。

 マーケティングアナリストでコンビニジャーナリストの肩書でも活動する渡辺広明氏は、

「これだけコラボが行われているのは、コンビニの『フラッペ』が浸透した証といえるでしょう。ファミリーマートは2014年からフラッペを発売していますが、毎年ラインナップは変化させ、最も多かった18年には15種類以上のバリエーションを出していました。他社はもちろん、昨年までの自社商品との“違い”をアピールする目的で、今年はコラボに積極的なのだと思います」

 ファミマのフラッペは、店内のコーヒーマシンからフォームミルクを注いで作る。今ではおなじみのコーヒーマシンだが、コンビニに登場したのは、ここ10年ほどのことであるという。

「いわゆる売り場ではなく、レジカウンター周辺で売る飲みものを『カウンタードリンク』と呼びます。カウンタードリンクとしてのコーヒーは、1980年代頃から何度か登場しては消えていました。マシンでなく、ポットに作り置きしたコーヒーを注ぐ形などを取っており、肝心の味がおいしいとはいえなかった。ですので、今につづくコンビニコーヒーの流れは、2011年にローソンがはじめた『マチカフェ』、翌年のファミリーマートの『ファミマカフェ』、さらにその翌年のセブンの『セブンカフェ』で、それぞれカウンターコーヒーに参入してきたものだといえます。そしていまや、コンビニのカウンタードリンクはコーヒーに留まらない動きを見せているわけです」

セブンの新たな施策

 そのひとつが「フラッペ」だが、もうひとつ、新たなカウンタードリンクの試みを、セブン-イレブンが行っている。7月中旬より1000店舗規模での導入を予定している「セブン カフェスムージー」だ。

 現在は数店舗でテスト販売中のこちらの商品は、冷凍カップに入った野菜やスムージーを店頭の専用マシンにセットして作る。「ケールグリーン」「チアシードマンゴー」「ストロベリーバナナソイ」の3種類がラインナップされている(各250円)。これまでコーヒー以外のカウンタードリンク導入に積極的ではなかったセブン-イレブンの興味深い試みだと渡辺氏はいう。

「大手3社のなかでは最後発だったものの、セブンが始めたことでコンビニコーヒーは一気に定着しました。でも、そこからの派生商品はなかなか出なかったのです。昨年販売していた『セブンカフェ カフェラテスイーツ』は、凍ったチョコの粒にコーヒーマシンのカフェラテを注ぐ飲みもので、フラッペに近いといえば近いですが、やはりコーヒーの延長線ですし、今夏の販売予定もないようです。コーヒーで採算を十分とれているセブンですから、季節性が高く、新たなマシンが必要になる『フラッペ』に手を出すことはしなかったのではないでしょうか」

 そんなセブンが、今年はスムージーを売るのはなぜか。

「ひとつには、最近のセブンが取る健康志向と一致するということがあるでしょう。先日まで“たんぱく質が摂れる カラダが気になる方に!食物繊維が摂れる"の幕が店頭にあったことをご記憶の方も多いのでは。もうひとつは、カウンタードリンク単価の引き上げ、というのもあると思います。セブンは今年から、ノーマルのアイスコーヒーより10円ほど高い『高級キリマンジャロ』を売り出しました。ホットでは19年から“高級”を販売していますが、アイスでは初の試み。10年近く販売し、すでに固定されつつあるであろうカウンタードリンクの利益率を、さらに上げたい狙いが見て取れます。コーヒーの2倍近くの値段で売られるスムージーも、同じ意図があるのでは。専用のマシンを導入してまで採算がとれるのか……という気もしますが、そこは業界の雄・セブンですからね。勝ち目があっての勝負でしょう」

 最後に、ローソンのコーヒー事情についても触れておこう。先の説明通り、大手3社のなかでは最も早くカウンターコーヒーを本格導入した「マチカフェ」は、今年10周年を迎える。そのラインナップは今やコーヒーのみならず、7月6日に発売された「台湾アイスティー ピンクグレープフルーツ」(350円)を皮切りに、「マシュマロラテ」(200円)など、およそ50品を誇る(※公式HP掲載数)。“フラッぺ”ことフローズンパーティーは『鬼滅の刃』とコラボしてもいる。

「ローソンは、従業員が淹れたコーヒーを手渡しする方法をとっています。さすがに店員の負担が大きく、お客側としても後ろに人が並んでいると注文しにくい。最近は新しくなったセルフ対応マシンに代わる店も増えて来ているようですが、もともと他社のようにカップを売り場に置かなくて済むことで、ドリンクのバリエーションを増やすことができたともいえます。SNSにはローソンのセルフ転換を惜しむ声もあり、本部としては悩ましいところでしょう」

 フラッペに力を入れるファミリーマートに、新機軸を打ち出すセブン、ラインナップの多さで勝負をかけるローソン……。コンビニコーヒー普及から10年を迎え、各社はそれぞれの戦略を取っているといえる。

デイリー新潮取材班