買収合戦の果てに「ハゲタカ」に食い尽くされた「ユニゾ」がたどる末路 債務不履行の危機も

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ホワイトナイトの裏切り

 元東証1部上場のみずほ系不動産会社「ユニゾHD(ホールディングス)」の経営環境は、2年前、旅行大手代理店「エイチ・アイ・エス」から仕掛けられた敵対的TOB(株式公開買い付け)を機に一変した。対抗策として、外資ファンドと組んで従業員による自社買収(EBO)を実施したものの、事態が好転することはなかった。

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「ユニゾHD」が敵対的買収の標的にされたのは2019年7月。HISが発行済み株式の45%取得を目論み、TOBを実施。ユニゾは、友好的な買収者「ホワイトナイト」として米投資ファンド「フォートレス・インベストメントG(グループ)」に白羽の矢を立てた。

 防衛は成功したかに見えたが、フォートレスの裏切りに遭い、さらには世界最大級の米投資ファンド「ブラックストーンG」から狙われる。そこに、「悪魔の囁き」がもたらされた。

 米投資ファンド「ローン・スターG」が国内上場企業で初のEBOを提案してきたのだ。EBOとは、従業員が自身の勤務する企業を買収するというもの。ローン・スターの役回りは買収資金を用立てることだった。

ジャンク債の扱い

 ユニゾ関係者によると、「ユニゾの“中興の祖”と呼ばれる小崎哲資前社長が主導し、ローン・スターの提案に乗りました。400人弱の社員のうち73人が出資し、EBOの受け皿“チトセア投資”が設立された。昨年4月、チトセア投資はローン・スターからの1510億円の借り入れと優先株の割り当てによる550億円の計2060億円を調達し、それを元手に最終的には買い付け価格を1株6000円にまで引き上げ、EBOを成立させたのです」

 結果、ユニゾは非公開化で独立を保てたものの、EBOの資金を捻出するために、次々と「虎の子」を手放さざるを得ず、優良資産は安く買い叩かれ、集客力の低いホテルなどが売れ残った。昨年12月、日本格付研究所によるユニゾ債の格付けは、投資不適格、いわゆるジャンク債の扱いの「BBプラス」へと引き下げられている。

 EBO成立後も、ユニゾ倒産を織り込んだマネーゲームに勝算ありと見込んだ別の外資ファンドから狙われている。ハゲタカによる買収を防ぐために戦った結果、倒産がちらつく状態に陥ってしまったのだ。

週刊新潮」2021年3月4日号「MONEY」欄の有料版では、ユニゾがハゲタカファンドに食い尽くされる経緯を詳報する。

週刊新潮 2021年3月4日号掲載