「イチケイ」終わって直ぐ「ナイト・ドクター」 “月9”復活を導く攻めの編成戦略とは
6月14日、フジテレビの月9「イチケイのカラス」(主演・竹野内豊)最終回が放送された。視聴率は13・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)と、初回に並ぶ最高視聴率を上げた。平均視聴率12・6%は、前作「監察医 朝顔」第2シリーズ(平均11・5%)に続く2桁超えだ。業界では、月9が勢いを取り戻しつつあるという声が多い。攻めの編成が見て取れるというのだ。
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事件解決ものとはいえ、刑事でも検事でも弁護士でもない、東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称イチケイ)を舞台にした「イチケイのカラス」は、1度も2桁を割ることなく、最終回を迎えた。最終回で主人公の入間みちお(竹野内)は、解任される寸前までいったものの熊本に異動ということに……。
ネットには早くも続編を希望する声が溢れているが、その余韻に浸る間もなく、翌週21日から、今度は「ナイト・ドクター」(主演・波瑠)がスタートする。連ドラが終われば、特番などを挟みつつ、2~3週空けてから次のドラマをスタートさせるのが通例だが……。民放プロデューサーは言う。
自在な“話数”
「『ナイト・ドクター』は7月ドラマにカウントされていますからね。それを6月第3週に、前作から間髪入れずにスタートするのは異例と言っていいでしょう」
東京五輪(7月23日[開会式]~8月8日[閉会式])を見据えた編成なのだろうか。
「他の連ドラは、例年通り7月に入ってからスタートします。『イチケイ』が終わる前に、来年1月スタートの月9『ミステリと言う勿れ』(主演・菅田将暉)の情報解禁もしました。まだ半年も先の話なのにね。最近の月9は、攻めた編成方針をいくつも実践していると思います」
第1に挙げられるのが、臨機応変な「話数」だという。
「最近はドラマによって話数を変えています。具体的には前々作の『SUITS/スーツ2』はコロナ禍の中断が入りましたが全15話、前作『朝顔』は全19話も放送しました。月9は1クール11話が基本ですが、人気があればそれに囚われない。発想が柔軟です」
両作品とも第2シリーズだった。
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