U-24日本はガーナ戦で安定の勝利 久保建英、堂安律、酒井宏樹の美しい躍動

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激戦区の左MF

 そんな2人に加えて日本の大きな武器になりそうなのがOA枠で加入した酒井の存在だ。フランスのマルセイユで長年プレーしただけあって、ブラック・アフリカンの選手にもフィジカル負けしない強靱な肉体がある。そして果敢な攻撃参加で何度も右サイドを崩した。

 久保と堂安に加え酒井による右サイドからの攻撃は、間違いなく日本のストロングポイントと言っていい。

 1トップの上田綺世、左MFの三笘薫はゴールという結果を残し、左SB中山雄太もアシストを記録した。しかし対戦相手の実力を考慮すると18名のメンバー入りが当確と思うのは早計だろう。とりわけ左MFは激戦区で、ガーナ戦では相馬と三笘、A代表戦では遠藤渓が起用された。

 しかしながら右サイドからの攻撃を日本のストロングポイントとするなら、左サイドはバランスを取って守備力にも長けた選手、例えば旗手怜央を起用し、相馬勇紀や三笘は緊急時のオプションとして残すという考えもある。

 いずれにせよ1週間後のジャマイカ戦のスタメンが、横内監督の考えるベストメンバーではないだろうか。

DF陣は?

 ガーナ戦ではテストできなかったDF陣の評価もジャマイカ戦となる。ガーナはオープンな戦い方をしてきたが、本番では初戦の南ア、第2戦のメキシコとも守備を固めてカウンター狙いで来ることが予想される。そんな相手に、どうゴールをこじ開け、カウンターのリスクを抑えるか。そうした対応こそOA枠の3人に求められるものだ。

 ガーナ戦では後半30分にカウンターからひやりとさせられたプレーがあった。オスマン・ブカリのシュートはGK谷晃生が好セーブでCKに逃れたが、きっかけは日本のCKからだった。5-0とリードしていたので吉田麻也や冨安健洋ら長身CBは攻撃参加する必要があったのかどうか、チームとして意思統一する必要がある。

 例えば0-0の後半アディショナルタイムにCKを獲得したとしよう。1点を取りにいくのか。あるいは0-0で試合を終わらせるのか。大差でリードしていたとはいえ、ガーナのカウンターに“ロフトスの悲劇”が一瞬頭をよぎったものだった。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年6月9日掲載

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