日テレ「オモウマい店」は中京テレビ制作 全国ネット放送で大成功しているワケ

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ローカル局制作の流れ

「そもそも“火サプ”だってグルメ番組でしたからね。しかし、新型コロナの影響で、今年度の予算が削減されたから、やめざるを得なくなった。予算が減らされては、番組のクオリティを保つのは至難の業ですからね」

 コロナ禍は、ローカル局でも同じではないだろうか。

「地方局のプロデューサーやディレクターは、日頃から低予算での番組制作に慣れているんです。制作費をかけずに番組制作することが得意と言ってもいいでしょう。そこに日テレ編成部が目を付け、ゴールデンタイムの1枠を中京テレビに任せたのです」

 中京テレビのバラエティ番組がゴールデンのレギュラーで全国ネットされるのは、実に14年ぶりとのこと。

「実は中京テレビだけではありません。日テレは昨年から日曜ドラマの枠で、2クールに1回程度、在阪の読売テレビに制作してもらっています。それが好結果だったために、今年4月からバラエティも地方局に任せることにしたのです。もちろんこうした流れは日テレに限りません」

 テレビ朝日系列で放送されている「ポツンと一軒家」(日曜20:00)や「芸能界常識チェック!トリニクって何の肉!?」(火曜21:00)などは大阪の朝日放送テレビ(ABCテレビ)の制作だ。

 TBS系列の「ゴゴスマ~GO GO!Smile!~」(平日13:55)は名古屋のCBCテレビ、「プレバト!!」(木曜19:00)は大阪の毎日放送(MBSテレビ)の制作である。

 フジテレビ系の「所JAPAN」は関西テレビ、ドラマ枠の“オトナの土ドラ”(土曜23:40)は東海テレビの制作だ。

「地方局が全国ネットの番組、中でもゴールデンを任されることはなかなかありません。ですから番組が決まれば、実力以上に頑張ります。全社を挙げてトップクリエイターを投入し、番組を是が非でもヒットさせるよう制作体制を強化する。たとえ制作費がなくても、モチベーションが高く、全力で番組を制作するからヒット番組も生まれやすいのです」

 今後もこうした傾向は続きそうだ。

「キー局も大変なのですが、それ以上に今、ローカル局は、NetflixやAmazonプライムビデオなど有料のオンデマンド配信メディアの誕生で、将来生き残れるのかという大きな問題を抱えています。そういう意味でも、地方局がキー局のゴールデンタイムで制作をしてヒット番組を誕生させ、存在価値を高めていることは、テレビ業界全体にとって明るいニュースなんです」

デイリー新潮取材班

2021年6月8日掲載

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