NHK「警視庁クラブ」で5人陽性「濃厚接触者なし」の“コピペ連投”に大ブーイング

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「メールで送ってくれ」

 別の記者も呆れ果てる。

「クラスターを起こしている疑惑のある社のキャップが紙を配り歩いていること自体、非常識じゃないですか。陰性だったとのことですが、潜伏期間などが原因で、偽陰性が出ているだけの可能性だってあるでしょう。みんな顔をしかめながら紙を受け取っていた。『メールで送ってくれよ』と怒り出した他社のキャップもいました」

 当然、これだけの感染者を出したのだから、取材先にも迷惑がかかっている。

「殺人事件などの凶悪事件を指揮する捜査1課長も、感染した記者と接触していたため、2日間、自宅でリモートすることが検討されました。だが結局、6月1日に立川市のホテルで19歳の少年が風俗嬢と店員を殺傷する事件が発生したため、登庁せざるを得なくなった。ちなみにNHKは、この事件でまともに動ける記者がおらず、ろくに記事が出せていません。また、陽性になった記者の1人が、八王子市で起きた賃貸アパート崩落事件の関連取材で、最近、国交省で開かれたレクにも参加していたという情報も飛び交い、省庁をまたいだ混乱も起きています」(同前)

局内でも批判の声が……

 NHK内でも、今回のお粗末な対応に批判の声が上がっている。

「うちはコロナ対策については、他社に比べて厳しいお達しが出ています。身内は当然、取材先であっても飲み会は禁止。視聴者に感染拡大防止を呼びかける公共放送として、自律しなければならないという考えのもとです。そんな中、リモートがしにくい警視庁クラブは特別扱いを受け、キャップの気が弛んでいたのではないか。もし、保健所の聞き取りに正直に申告していなければ、濃厚接触者はいないってことになりますしね」(20代局員)

「保健所が何と言おうが、結果だけ見れば、クラブ内でクラスターが起きたと見るべきでしょう。陽性者が続出した後、社会部で開かれた会議で、キャップは『対面取材でなければ得られない情報も多いので、そこはこだわっていきたい』と発言していました。そりゃ、そうなんですが、今それを言うのはちょっとね……」(30代局員)

 さすがに5人目が出た3日、NHKはホームページで5人の感染者が出たことを公表した。そこにも、「濃厚接触者はいない」の文言が出てくる。

〈(感染した5人のうち)4人は、保健所の聞き取りの結果、家族以外に濃厚接触者はいないという判断が出ています。本日、陽性と判定された1人は今後、保健所の聞き取りを受けることになっています〉

 クラスター疑惑があるというのに、「濃厚接触者はいない」で押し通そうという神経とはいかなるものなのか。一連のNHKの対応には、保健所に責任を被せて、事態を矮小化しようとする魂胆が見えるのである。当然、この発表のタイミングについても、「遅すぎる」と内外から批判の声があがっている。

 改めてNHKに見解を問うと、文書で次のような回答が来た。

「5人の間では、飲食を共にすることや長時間の打ち合わせなどの接触は一切ありませんでした。5人はマスクを常時着用し、取材先でも相手と距離を取るなど、感染防止の対応を講じていました。保健所からは、5人の行動履歴を調査した結果、いずれも家族以外に濃厚接触者なし、との判断が出ています。なお、感染経路は不明です。

 5月31日に感染が確認された2人目については、家族の感染確認を受け濃厚接触者として調査を行い感染が判明したものです。保健所からは、本人の行動履歴を調査した結果、家族以外に濃厚接触者なし、との判断が出ています。6月1日に、自主的に検査を受けた職員の陽性が判明した段階ですぐに、同じ職場に立ち寄った職員全員にリモートワークや在宅勤務などを指示するとともに、全員にPCR検査を行いました。また、専門業者によって、職員が立ち寄った場所の消毒も行いました。今後も保健所と連絡をとりながら必要な感染防止対策を講じてまいります」

デイリー新潮取材班

2021年6月8日掲載

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