石原、すず、有村……日テレ、“豪華キャスティング”の春ドラマはなぜ失敗したのか

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第9話で終了

「人魚という設定も、当初は第1話で判明するはずでした。しかし、それを明確に打ち出さないことになり、第7話を終えても明らかにしないままストーリーが進んでいます。SNSでは《カメ? クラゲ? やっぱり人魚?》などとも書き込まれています。脚本家と主演俳優の方向性がズレまくり、散々な結果になっています」

 そこで出された結論が、

「“恋ぷに”は第9話で終了することになりました。第10話として予定されていた枠は“総集編”になります」

「コントが始まる」は菅田&有村の他、外れ作品のない神木隆之介、人気上昇中の仲野太賀らの群像劇で、脚本は「俺の話は長い」(日テレ)などの金子茂樹氏によるオリジナル。これもまた視聴率は取れていないが、評判は決して悪くない。

「『コント~』も人気俳優を揃えたために、撮影スケジュールが合わず、クランクインが大幅に遅れました。そのため、撮影スケジュールに大きなしわ寄せが起きており、番組宣伝もろくにできないままスタートしてしまいました。ドラマ好きの間では確かに話題になっているのですが、残念ですね」

 ならば「ネメシス」はどうか。広瀬は朝ドラ「なつぞら」(NHK)以来、櫻井は嵐の活動休止後、初の連ドラ出演だった。脇を固めるのは、江口洋介、大島優子、上田竜也(KAT-TUN)、真木よう子、南野陽子、勝地涼、橋本環奈、仲村トオル、石黒賢、伊武雅刀……とこの上ないキャスティングだ。

「ミステリードラマということで、刑事ドラマを手がける有名脚本家にトリック監修を依頼し、脚本を制作しています。ところが、内容が薄くて浅い。連続ドラマとして重要な縦軸的な“謎”が取ってつけたようなチグハグ感なんです。実力派俳優が多数参戦しても、実力を出し切れない結果になってしまっています。いまでは櫻井のジャニーズファンですら視聴するのをやめているそうです」

 実は「ネメシス」、映画化も見据えていたという。

「映画『ちはやふる』や『キングダム』、『22年目の告白 私が殺人犯です』などのプロデュースを務めた日テレの映画プロデューサー、北島直明の企画で『ネメシス』は制作されました。初めての連ドラということでずいぶん肩に力が入っていたそうです。総監督には『22年目の告白』で組んだ入江悠監督で、映画化も視野に入れていたのですが、このままだと実現するかどうか」

 社内では今、3本のドラマが結果を残せなかったことが問題になっているという。

「これだけ人気俳優を揃えて、視聴率が散々なドラマが1クールに3本もあるのです。今、日テレでは、一体誰が責任を取るのかという話題になっています」

 ちなみに7月ドラマもすでに発表されている。

 水曜ドラマには戸田恵梨香と永野芽郁のW主演「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」、土曜ドラマは唐沢寿明主演「ボイスII 110緊急指令室」、日曜ドラマは中川大志主演「ボクの殺意が恋をした」だ。

「注目は戸田と永野のW主演です。NHK朝ドラのヒロイン2人をキャスティングしたドラマが、万が一大コケしたら、一大事です」

デイリー新潮取材班

2021年6月2日掲載

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