石破派の「齋藤元農水相」が野田聖子に寝返りか 2連ポスターの相手に野田氏を選び

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 任侠の世界では、親分からもらった“盃”を反故にする「逆縁」は、万死に値する最大の罪とされる。

 もっとも、それも義理と人情を重んじるがゆえ。親分不在となった弱小派閥では盃の重みもどこ吹く風のようである。

 このほど永田町で「逆縁」が囁かれるのは、自民党の齋藤健衆院議員(61)だ。

 政治部記者によれば、

「政策通で、安倍政権では石破派ながら農水相に抜擢。石破茂氏(64)からの信頼も厚く、3年前の総裁選では安倍陣営からの“圧力”を暴露し、掩護射撃をしてみせた。石破派は昨年、石破氏が突然会長を辞任し、混乱に陥りましたが、派閥が瓦解しなかったのは、齋藤氏が若手をまとめ上げた功績も大きいと言われる」

 そんな齋藤氏が「逆縁」とはこれ如何に?

「先月21日に彼が貼り出した2連ポスターが、石破氏とのではなく、自民党幹事長代行を務める野田聖子衆院議員(60)とのツーショットだったのです」(同)

 任期満了まで半年を切ると、公選法によって候補者個人のポスターは掲出を禁じられる。そこで“演説会のお知らせ”の体で、有名政治家との2連ポスターを作製するのだ。だが、

「野田氏は、次期総裁選での出馬も取り沙汰される、いわば石破氏のライバル。知名度でいえば石破氏の方が勝っているだろうに、あえて野田氏にしてしまったことで、すわ寝返りか、となったわけです」(同)

 タイミングも悪かった。齋藤氏がポスターの貼り出しを始めた、まさにその日。野田氏の夫が、「週刊新潮」の記事を名誉毀損で訴えた裁判の判決が東京地裁で下り、夫が元暴力団組長と“盃を交わした”こと、すなわち元暴力団組員であることが認められたのだ。

「裁判のことを聞かれるのが嫌だったのか、判決の翌週、役員会後の幹事長会見に、いつもいる野田氏の姿はありませんでした。夫が元組員では、選挙のイメージもマイナス。齋藤氏も想定外だったのでは」(同)

 齋藤氏の事務所は、

「想定される相手候補が2人女性ですので、女性を演説会に呼んだ方がいいとの支援者のアドバイスにより、女性として党の要職に就いている野田先生にしました」

 永田町の盃は軽いのだ。

週刊新潮 2021年5月20日号掲載

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