小池都知事は東京五輪開催を投げ出す? 国民を味方につけ、7月の都議選を有利に

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「海外から変異株が入るから危険」が的外れな理由

 コロナ禍で東京オリンピック・パラリンピックを開催することへの批判が強まっているが、ここにきて小池百合子東京都知事が開催を“投げ出す”可能性が浮上しているという。

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 政府は7月末までに高齢者へのワクチン接種を完了させることを目指しているが、本当に予定通りに進めば、東京五輪を開催するうえでの障害も、さほどないことになる。

 しかし、世論調査を行えば、五輪の中止か再延期を求める声が7割を超えることもあり、5月5日に宇都宮健児弁護士がオンライン上で始めた、大会中止を求める署名は、5日間で30万筆を超えた。

 むろん、ワクチン接種の致命的な遅れや、ピント外れの感染対策に業を煮やした人たちが、五輪に不安を抱くのも無理はない。だが、ここでも冷静になったほうがいい。大阪市立大学名誉教授で現代適塾塾長の井上正康氏は、

「東京五輪を開催したら海外から変異株が入るから危険だ、と訴える専門家もいます。しかし、変異株はすでに入っており、的外れな指摘だと思います」

 と言い切る。

小池都知事が五輪を投げ出す可能性

 それに五輪に反対するなら、中止した際のリスクも比較考量すべきだが、そのことは追って考えるとして、最初に、東京都の小池百合子知事が五輪を投げ出す可能性について考察したい。「都政新報」の後藤貴智編集長は、

「開催する方向で動いていると思います。やってもやらなくても都の損失は大きいですが、これまで投じた予算やさまざまな準備を考えると、感染状況によりますが、やる方向で動いたほうがいい。やめようとしている、という話は聞いたことがありません」

 と話す。ちなみに1兆6440億円と見込まれる開催総経費のうち、東京都の負担額は7170億円。このうち昨春までに3600億円は決算済みである。都政担当記者も、「都知事が中止にする空気感はない」と断言するが、こうも言う。

「都庁の職員の間では“このまま五輪をやってもいいの?”という声が聞かれます。コロナ対策でアップアップのところに、五輪で職員が駆り出されたら大変だ、というわけです」

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