コロナ禍で呑気に過ごすことは権力を助けることに(古市憲寿)

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 3度目の緊急事態宣言が発出されるというので、その前に百貨店に行ってきた。ショッパーを両肩に下げ待ち合せ場所に着くと、友人に笑われてしまった。「百合子の次に緊急事態宣言を楽しんでいる」と。

 確かに1年前の宣言直前も、急いで百貨店に行って、現金を持たないのに小銭入れを買ったりしていた。まだ新型コロナのことがよくわかっていなかったから、換気がいいはずの映画館の座席の一角を買い占めて、他人と距離を取って映画を観たりもしていた。「大変だ」と騒ぎながら、宣言をちゃっかりイベントごとにしているのである。...

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