「高級カーシェア会社破綻騒動」から半年 雲隠れする「元社長」を追い込む「反社」

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元社長が現れた!

 被害に遭ったのはオーナーたちだけではない。スカイ社と取引のあった自動車整備会社、不動産会社などの業者を集めた第1回債権者集会が、5月10日、東京地方裁判所で開かれた。管財人はその場で、グループ全体に残っていた資産は約1000万円で、破産手続きにかかった諸経費を差し引くと、管財人口座には500万足らずの現金しか残らなかったと明かした。U氏の知人が語る。

「それよりも驚かれたのは、雲隠れしていたUが集会に現れたことでした。彼が公の場に出たのは初めてのこと。スーツ姿で現れたUは、債権者の前で平謝りだったそうです。彼は今年初頭くらいまでは親しい者たちと連絡が取れていましたが、突然、音信不通になった。一部の債権者は、実家のある八丈島まで押しかけたと言います」

 もっとも、集会に姿を現したのは、債権者と真摯に向き合おうとしたからではなく、

「破産をつつがなく終わらせ、身軽になりたかっただけ。その後、再び姿をくらましました。彼はそもそも今回の騒動で、まったくと言っていいほど罪の意識を持っていなかった。とっとと破産してすべてを切り抜けたいという魂胆が丸見えでした」(同)

半グレに襲撃された過去

 逃げ切りを図りたいU氏だが、そうはさせまいと息巻いている者たちがいる。「反社会的勢力」に属する者たちだ。債権者集会でも明らかになったが、U氏は資金繰りが悪化した際に高利貸しのヤミ金にまで手を出していた。

「血眼になってUを探している人たちがいますよ。彼らは集会にも訪れ、地裁周辺をうろうろしながら、Uが出てくるのを待ち受けていた」(同)

 実際、彼は“反社”に襲撃された過去を持つ。カーシェア事業に乗り出す前に手がけていた携帯電話の名義貸しビジネスで半グレ連中とトラブルになり、2016年12月に西新橋の路上で二人組に襲撃された。

「凶器がゴム製のハンマーだったので命に別状はありませんでしたが、頭をフルボッコにされたため、頭部を包帯で巻かれた状態のまま、1カ月以上入院を余儀なくされました。けど、Uはそれに懲りずに、反社との付き合いを続けていたんです。カーシェアで羽振りが良かった時も、別の半グレと付き合い続け、その上にいる組織の人間にも金を上納するなどして庇護を受けていた。今は彼らからも追われる身となっています」(同)

 債権者集会では、Uの資産が預貯金を含め18万円ほどしかなかったと明らかにされたが、

「誰も信じちゃいませんよ。どこかに資産を隠し持っているんでしょう。いつか誰かにさらわれてしまうかもしれませんね」(同)

 人を利用するだけ利用し、都合が悪くなったら身を隠す。身から出た錆と言えるだろう。

デイリー新潮取材班

2021年5月15日掲載

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