「ゴッドタン出演はチャンスじゃなくピンチ」 残酷なほどストイックな番組の“裏側”をノブコブ徳井が明かす

徳井健太(平成ノブシコブシ) 逆転満塁バラエティ エンタメ 芸能 2021年5月8日掲載

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 平成ノブシコブシ・徳井健太がお笑いについて熱く分析する連載「逆転満塁バラエティ」。

 第17回目は、「ゴッドタンと佐久間プロデューサー」について。

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佐久間さん、テレビ東京ご卒業おめでとうございます

 千鳥のノブさんと何年か前に飲んでいた時、こんな話をしてくれた。

「ちょっと前に『ゴッドタン』のスタッフさんと飲んだんやけど、その時にな、“申し訳ないんだけどうちの番組は、1週間のうち3日間はみっちり、企画について打ち合わせをしてるんだ”って言うんや。3日間もやで? “もちろん他の番組だって必死だろうし、芸人ならどの番組でも頑張らなきゃいけないのは分かるだんだけど、『ゴッドタン』は絶対に面白い台本を自分たちスタッフがみんなで作ってるから。それを超えてもらうためにも、安心して死ぬ気で砕け散る覚悟でやってくれ”って」

 それからしばらくして、ゴッドタンから「腐り芸人」という企画が僕の元にやってきた。

 僕は、死ぬ気でやった。

 砕け散る覚悟はしていった。

 つもりだ。

 そんなこんなで、今回は人気深夜番組「ゴッドタン」について。

 ひいては、ゴッドタンのプロデューサー・佐久間宣行さんテレビ東京ご卒業おめでとうございますスペシャルだ。

スタッフ全員噛み殺す心持ちで挑んだ

 僕とインパルス・板倉(俊之)さん、ハライチ・岩井(勇気)とで結成された“腐り芸人”。テレビのバラエティに馴染めず、心に闇を抱えてしまった芸人が本音をぶちまける企画だった。

 僕はふたりとは違う。浮いている。

 なぜなら、元々が売れていないからだ。

 板倉さんは芸歴2年目から「はねるのトびら」に出演していたし、岩井はハライチとして、速攻でテレビで売れた。しかもふたりとも賞レースで結果を残している。

 対して僕ら平成ノブシコブシはネタで評価されたわけでもないし、そもそも僕は自分でネタを書いているわけでもない。

 それでもなぜか僕に白羽の矢が立った。

 それだけでも死ぬ気でやろうと思ったが、以前ノブさんから「ゴッドタン」の話を聞いていた手前、スタッフさんの熱量や意気込みを勝手に感じ、その重さを勝手に背負っていた。

 そもそも、呼ばれたのはたった3人。なんとなくで座っているひな壇とは違う。いろいろな選択肢がある中で、少ない席に僕を選んでくれた。

 けれど自信はなかった。

 面白くできる戦略もなかった。

 でも、死ぬ気でやろうということだけは決めていた。周りにどう思われようが、適当にやったとか、手を抜いたとか思われないよう、共演者だけでなく、スタッフ全員噛み殺す心持ちで挑んだ。

 それは定期的に呼んでもらえるようになった今でも変わらない。

収録後は後悔の連続

「ゴッドタン」は編集が素晴らしい。生々しく臨場感に溢れる編集だから、放送後、みんなが褒めてくれる。

 けれどいつも、現場での手応えはない。

 収録後は後悔の連続だ。ああ言えばよかった、なんであそこでこれを思いつかなかったんだろう。あんな顔では不快感しかないだろう。俺は無能だ、無能な自分を呪いたい……。

 だが編集され、整えられた番組を観た人からは褒められる。

 街でも若い男の子に声を掛けられる機会が増えた。

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