東京都「他県移動自粛」が創価学会に与えるダメージ 都議選の選挙活動に全国の学会員が参加できず

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「可能なかぎり東京に来ないでください!」

 連日、記者会見などで悲痛に叫んでみせるのは、小池百合子東京都知事(68)である。近隣県から都内に通う通勤・通学者は1日およそ300万人にも上るため、この“他県移動自粛”要請の実効性には、首を傾げる向きも多いのだが、

「公明党と、その支持母体である創価学会だけは、この荒唐無稽な“自粛”の要請に青ざめているんです」

 と、学会ウォッチャー。

「彼らの頭の中にあるのは、7月4日に投開票される東京都議選。公明党にとって都議選での勝利は至上命令で、実に20年近くにわたり、公明党は都議選で23人の候補者全員を当選させ続けている」(同)

 この“完全勝利”を可能にするのは、学会の動員力。

 ある学会関係者は、

「都議選では、全国から学会員が上京し、票の積み上げを行います。都内の商店や美容院、飲食店、会社などを一日中はしごして、公明党への投票を呼び掛けるんです。そうして投票をお願いした人から別の人にも投票を呼び掛けてもらう。だから、かつては“玉突き”なんて呼ぶ人もいました」

 実際、学会員たちには、今年もすでに都議選へ向けた協力要請が発令されているといい、

「今年の都議選は新人が6人と前回より多く、例年にも増して選挙活動に力を入れないと勝てない。なのに“移動自粛”を求められれば、学会員たちは畏縮し、動員力が低下してしまいます。これは学会に対する嫌がらせなのかと、みんな疑心暗鬼に陥っている」(同)

 彼らには“嫌がらせ”をされる心当たりがある。

「前回都議選では、自民を切り捨て、都民ファーストの会と手を結んだ公明党ですが、今回は再び自民に寝返った。小池都知事がタダで済ませるわけがない」(同)

 焦りはこんなところにも。

「今月16日、参院議員会館の会議室に公明党の国会議員たちがひっそり参集。招かれたのは国産ワクチンの期待がかかる塩野義製薬の社長でしたが、内容は非公開だった。コロナに怯える学会員たちを鼓舞するため、何がなんでもワクチンのポジティブなニュースを引き出したかったのかもしれません」(全国紙記者)

 濃密な選挙になりそうだ。

週刊新潮 2021年4月29日号掲載

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