「ジャニーズ」と「日テレ」蜜月の原点 異例のトップ会談で決まった“櫻井人事”

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SMAP騒動の余波

 この間、デリケートな問題も生じた。日テレとSMAPのチーフマネージャーだった飯島三智さん(63)の間に吹いたすきま風である。

 ジャニーズ事務所とは関係が良いのにも関わらず、SMAPの出演番組は他局より少なくなった。特にドラマは2003年以降、メンバーの5人の主演作がなかった。

 メリーさんと飯島さんの関係は徐々に悪化したのは知られている通り。すると、軌を一にして日テレと飯島さんの関係は冷え込んでいったのだ。

 2016年、飯島さんはSMAP解散前にジャニーズ事務所と袂を分かち、やがてCULEN代表に。その後、同社には稲垣吾郎(47)、草彅剛(46)、香取慎吾(44)が所属した。いまだ3人の日テレのドラマへの出演はない。それが実現した時が、同局と飯島さんの関係の雪解けと言える。

 ジャニーズ事務所との関係をトップとして自ら築き上げた氏家氏は会長職のまま、2011年に逝去した。以後も日テレと同事務所の太いパイプは保たれたが、それを作ったメリーさんも昨年9月、代表権のない名誉会長に退いた。同事務所と各局の関係は新時代に入った。

 もとからレコード会社とは全方位外交だった。付き合いを特定のレコード会社に絞らず、各社にタレントを委ねていた。「テレビ各局との関係もそうなっていくだろう」(民放スタッフ)

 もちろん、その背景にはジャニーズ事務所の戦略がある。「全方位外交にしたほうが、各局に対して影響力や発言権が持てる」(同・民放スタッフ)。一般企業が味方を多くするため、取引先をあえて増やすのと同じ発想である。

 例えば、1月期にはテレ朝で生田斗真(36)の主演ドラマ「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」(土曜午後11時30分)が放送された。生田のテレ朝での主演作は初めてだった。

 テレ朝にとっては良い話だっただろう。この枠は4月期もジャニーズ勢が続投。今度は横山裕(39)の全局通じての初主演作「コタローは1人暮らし」が24日から始まる。

 テレビ東京の深夜ドラマにも最近はジャニーズ勢が頻繁に登場する。4月14日からはジャニーズJr.内ユニットであるHiHi Jetsの井上瑞稀(20)、高橋優斗(21)、作間龍斗(18)の3人が主演する「DIVE!!」(水曜深夜0時)がスタートした。テレ東の深夜ドラマはジャニーズ勢の存在抜きにして成り立たなくなりつつある。

 TBSではNEWSの小山慶一郎(36)と加藤シゲアキ(33)によるバラエティー「NEWSの全力!!メイキング」(金曜深夜0時50分)が4月30日からスタートする。

 フジテレビは日テレに次いでジャニーズ事務所との関係が良い。現在の藤島ジュリー景子社長(54)が上智大卒業後の一時期、同局で役員秘書を務めていた影響もあるだろう。

 昨年末、「VS嵐」(木曜午後7時)は終了したが、今年1月からは相葉雅紀がメーンを務める「VS魂」(同)にすんなりと移行した。

 一方、日テレとの関係が縁遠くなったかというと、そんなことはない。4月26日からHey! Say! JUMPの有岡大貴(30)が主演するドラマ「探偵☆星鴨」(月曜深夜0時59分)が始まる。

 退所者が相次いだこともあって、SNSには「ジャニーズ事務所の影響力は弱まった」などとの書き込みが相次いでいる。だが、実情はというと、影響力保持に向けた布石は着々と打たれている。各局の同事務所頼りも変化はない。

山本継男/ライター

デイリー新潮取材班編集

2021年5月2日掲載

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