空手パワハラ騒動、現場を目撃したコーチが証言 「竹刀の先端で突いてはいない」

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竹刀が使用された理由

 男性コーチの証言と、植草がブログに綴った〈師範から、「きちんと受けないといかんのや。」と言われ〉、〈私の怪我や治療手当てのケアの言葉はありませんでした〉との記述には、大きな開きがある。どちらが真実なのか。そもそもなぜ空手の練習に竹刀が使われたのか。

「竹刀を用いた練習は、香川師範が独自に開発したものでした。外国人選手はリーチが長いので、体格で劣る日本人選手が間合いを詰めて攻撃するのが難しい。そこで、師範は竹刀を使って、選手に組手での距離感を体感させようとしました。自分よりも身長の高い相手が繰り出す、上からの突きを想定して剣道の“面”のように竹刀を振り下ろす。また、蹴りに見立てて、同じく剣道の“胴”の要領で竹刀を横に振る。選手は竹刀を腕で受け流したり、身をかわして攻撃に転じるわけです。植草は、師範が竹刀の先端で選手に“突き”を放ったと主張していますが、そのような練習は一切していません」(同)

 それでも、竹刀を用いる練習に疑問を感じる向きもあるかもしれないが、

「この練習に参加するのは全空連の強化指定選手たちです。彼らが五輪で戦う外国人選手の蹴りは、まともに頭に喰らうと失神してしまうほどの威力があります。その衝撃は竹刀とは比べものにならない。師範はあくまでも間合いを意識させるために竹刀を使っていたのです。この練習を始める際、師範は選手たちに意図を説明していますし、当然ながら、竹刀で選手を折檻するようなこともありませんでした」(先の男性コーチ)

 無論、植草が怪我を負った経緯については調査が必要だろう。しかし、香川氏が選手の顔面を凶器で突いたかのような報道には違和感を覚えるというのだ。

ネット上に投稿した「セクシー動画」

 一方、全空連関係者は、香川氏が選手の指導に竹刀を用いた別の理由を挙げる。

 それは“セクハラ”を防止するための配慮だった。

「たとえば、“型”の練習をする時に、指導者が女子選手の腕や脇腹に直接触れてしまうことがあります。過去には、こうした指導がセクハラとして問題になったケースもある。香川師範はその点を考慮して、女子選手に脇を締めるよう指導する場合も、身体的な接触を避け、竹刀で注意すべき箇所を指し示しながら教えていました」

 加えて、この関係者は、植草のブログには他にも首を傾げざるを得ない箇所があるという。

 それは以下の部分だ。

〈昨年9月頃から、師範から、練習環境のこと、大学院進学のこと、その他プライベートや自活の為の仕事のことなどで、自立心・自尊心を傷つけられたり、大声で怒鳴られたりすることが多くなりました〉

 この文面からは、香川氏が植草の訴えに聞く耳を持たず、一方的に叱責する様子しか読み取れないが、

「香川師範が植草を叱ったのは事実です。しかし、最大の原因は彼女がネット上に投稿した“セクシー動画”にありました。彼女は18年にホリプロに入社してからメディアに登場する機会が増え、同時にYouTubeやSNS上で続々と動画を公開し始めます。師範は“空手界を背負って立つ身なのだから、恥ずかしいことはするなよ”とクギを刺していました。しかし、当初こそ空手着姿で動画に登場していた彼女は、いつしか太ももを露にした格好でストレッチする様子を配信するようになった。他にも、ホットパンツ姿で思わせぶりに開脚したり、男性に素足を抱きかかえられながら、軽快なリズムに乗って腹筋する動画まで配信していた。それを目にした香川師範は植草を呼び出し、“空手を世の中に広めたいというから許してきたのに、何をやってるんだ!”と叱りつけたのです」(先の関係者)

 結果、植草は“セクシー動画”のほとんどを削除しているが、その内容が、礼儀や人格形成を重んじる空手道の教えと相容れない印象は否めない。

告発の陰にいる男性とは

 実は、その頃から彼女には“男”に関する噂が浮上していた。空手界に詳しい記者が明かすには、

「植草選手との交際が噂されているのは、東京六大学の空手部で主将を務めた経験もあるパーソナルトレーナーです。彼が植草の空手着を身につけて、得意げに稽古をしていたこともありました。植草が配信するYouTubeなどの動画を撮影、編集しているのも彼だと言われています」

 今回のパワハラ告発について、植草はかなり限られた関係者にしか相談を持ちかけていない。そのため、

「香川さんを告発した背景に彼の存在があったのではないかと囁かれています。ふたりの配信した動画に横槍を入れられたことが、今回の一件に影響しているのではないか、と」(同)

 また、彼女が訴える〈大学院進学〉に関しても、

「植草は昨年11月頃、筑波大学の大学院で学びたいと香川さんに伝えたそうです。その時点で東京五輪まで1年を切っていたため、香川さんは“いまは五輪に集中して一生懸命に稽古をすべきだろう”と諭した。しかし、彼女は泣きながら“帝京の練習は嫌いです。それにオリンピックの後のことが不安で仕方がありません”と言うばかりだった。実際、練習への遅刻や無断欠席も目立ち、稽古に身が入っていない状態で、昨年末の日本選手権でも3回戦で敗退してしまった」(同)

 植草は今年3月の強化合宿への参加を香川氏に拒否されたとも訴えるが、

「彼女は2月に肉離れを起こしています。悪化すると試合にも影響しかねないので香川氏は合宿を見合わせるよう伝えたのです」(同)

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