NHK有馬キャスターが起こした退任の挨拶事件 6月人事は国際部長として処遇か

国内 社会 2021年4月8日掲載

  • ブックマーク

ウォッチ9のキャスターを4年

 3月いっぱいでNHKニュースウオッチ9のキャスターを交代した有馬嘉男氏(55)。菅義偉首相へのインタビューがその神経を逆なでし、官邸からクレームがNHKに来て、その圧力に屈した結果の降板劇とも報じられたが、6月内示の人事では意外にも国際部長として処遇される見込みだという。そして先日、有馬氏が報道局の幹部が集まる会議で退任の挨拶を求められた際に、「無言の抵抗」をしていたとの話も。

 NHKのある幹部局員によると、

「1990年入局の有馬さんはウオッチ9のキャスターを4年務めました。注目度の高かった大越(健介)さんでも5年でしたから、かなり長い方だと思います。有馬さんはお茶の間の人気者というわけではなかったですが、安定感があって特段変える必要もなく、そうこうしているうちに番組の編集責任者の面々は年下ばかりになってしまった」

 昨年春にも、交代の話が出ていたが、

「桑子(真帆)アナと和久田(麻由子)アナを朝と夜の間でシャッフルするというアクロバティックなことをやったせいで、有馬さんまで一気に変えられないと、ポジションにとどまることになりました」

 余人をもって代えがたかったのかその辺りは判然としないが、その後もキャスター職にとどまり、菅義偉首相が就任直後には番組でインタビューも行った。

 その内容に官邸がクレームを付けてきたと報じられ、NHKはその圧力に屈した結果、有馬氏を降板させた、というようなニュースも流れた。

忖度したとは捉えられたくない

「基本的に、新年度以降のキャスターをどうするかについては、前年の秋以降に委員会が開かれ、そこで決まります。官邸からの圧力が報じられた時期とタイミングが多少重なってはいますが、それとは無関係に有馬さんの降板は事実上決まっていたと思います。報道局長が近く交代するので、有馬さんの異動の件もまだ流動的ではありますが……」

 少し話はそれるが、新しく報道局長に就く予定の山下毅氏は籾井会長時代に政治部長を務めていたが、たった1年で熊本放送局長に異動させられており、左遷ではないかとみられていた。

「政治部長を1年だけというのは異例ですね。熊本に左遷されるきっかけになったのは、山下さんとあまり相性のよくなかった岩田明子さん(政治部記者兼解説委員)がなんらかの動きを見せたからだと指摘する声がありました。しかし、今回の復権で岩田さんの力もなくなったと言われています。安倍さん(前首相)や今井さん(前秘書官兼補佐官)との蜜月ぶりから、他を圧倒する独自報道を連発してきた岩田さんですが、菅さんとの関係はうまく行っていないんですよね。希望していたワシントン支局行きや日曜討論の司会は却下されたようです。ウチは去年1月に新会長を迎え、人事面で大きな変革が始まっているということも、岩田さんの件に関係していると思います」

 話を有馬氏に戻そう。

「ウチとしてはそういう官邸圧力報道は気にしていて、官邸に忖度したとは捉えられたくないし、その結果、懲罰で降板という見方を打ち消したいということで、きちんと有馬さんを処遇する姿勢を見せたいということなのでしょう」

 囁かれている国際部長のポジションは、それなりの処遇だ、というのが内部の見方ではある。が、それに有馬氏が満足しているかは不明だ。

 4月1日、報道局幹部が集まる会議で、こんな事件が起こった。

次ページ:政治部出身の人間が

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]