5歳男子餓死、「ボス」と呼ばれた主婦がすべて明かした 「洗脳支配」の経緯と理由

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水で米をふやかしていた

 赤堀、碇の両容疑者はいつも一緒にいるというイメージだったが、一方でその関係性におかしさを感じた瞬間があったという。普通の「ママ友」とは明らかに違ったのだ。

「赤堀が碇さんを罵倒しているのを見かけてからです。朝9時か10時くらいに道端に赤堀と碇がいて、少し離れたところからでも、赤堀がものすごい剣幕で碇さんに怒鳴り散らしているのがきこえた。何を話していたかまでは聞こえなかったけれど、碇さんは手を前で重ねて、俯いていました。それをみて、ママ友というより上下関係があるのではないかと感じました。でもまさか、私を勝手に、ボスだと信じ込ませてお金まで詐取していたとは思わなかった。むしろ赤堀が碇さんの面倒を見てあげているんだと思っていました」

 翔士郎君が亡くなったのは昨年4月。直後にもAさんは赤堀容疑者と話をしている。

「お通夜の日、たまたま電話で話したんです。赤堀は『碇は子供が亡くなったのに、まずうちに電話をかけてきた』と言っていました。そこで電話を替わった赤堀の旦那が『俺たちに電話をしとる場合じゃなかろうが。救急車呼ばんか』と怒った、と」

 さらに赤堀容疑者は碇容疑者への批判を続けた。電話を受けて自分が碇宅に駆けつけたら、マンションの下で碇容疑者が待っていたことが許せなかったらしく、

「『あのくそ!!!』とものすごい剣幕で電話口で怒鳴っていました。あれも芝居だったと思うと腹が立って仕方ありません」

 後日、Aさんは「翔士郎君が栄養失調で亡くなった、碇は捕まるのだろうか」と何度も電話で赤堀容疑者に聞かれたという。

「今から考えれば、赤堀自身が逮捕されることを恐れていたのでしょうね。私もなんで亡くなったんだろうとは思ったけれど、まさか赤堀に洗脳されてご飯が食べられない状況だとは気づけなかった。碇さんが生活保護を受給しているという話は赤堀から聞いていたし、知り合いづてで、碇さんが今の家に引っ越して2、3日くらいで隣戸に『1万円貸して欲しい』と頼みにいったという話も聞いたので、お金に困っているとは知っていたのですが……。当時赤堀から『碇の家は水道しか通ってない』とも聞きましたから。碇さんや子供達は少量のおかゆをわけあっていたと報道されていますが、お湯ではなくて水で米をふやかしていたんじゃないかなと思います」

給食費を払えないけど給食を求めて

「2019年頃、赤堀から『碇の自宅マンションで、騒音がうるさいと苦情がきている』と聞いたことがあります。その時は碇家に子供が3人いるから、子供の騒音だろうと思いましたが、実際には赤堀が碇さんを怒鳴っている声だったのかもしれません。2018年頃には一度だけ、ママ友のつながりで、碇家に私の子供が遊びに行かせてもらったことがありました。子供から聞いた話では、翔士郎君は他の子がテレビゲームをしているのをじっと見つめているようなおとなしい子だったそうです。だから、翔士郎君がいうことを聞かないからご飯を食べさせなかったというのは事実と違う気がするし、赤堀が目をつけていじめていたのではないかと私は推測しています」

 実は、「碇容疑者の長男は小学校で給食費を払えないことがあった」と話す別の保護者もいる。

「担任の教師はクラスみんなの前で長男に対し、『給食費を持ってくるように』と言ったみたいです。食費は赤堀容疑者に抑えられ、家では水で薄めたおかゆをわけあう他ない。学校で給食費のことを言われてイヤな思いをしても、生き延びるためにがんばって学校に給食を食べに行っていたのかもしれません」

 また、昨年末には、Aさんは赤堀を問い詰めたこともあった。赤堀が彼女をボスと呼んでお金を詐取していたと聞いたからだ。

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