日本人は「福原愛さん」に厳しすぎる? 台湾・中国と受け止められ方が違う理由

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台湾人は傍観者

 卓球元日本代表で銀メダリストの福原愛さんの不倫&離婚報道は、東アジアで大いに耳目を集めた。日本・台湾・中国で、それぞれ受け止められ方が異なることは前回お伝えした通りだが、その違いはどこから生まれるのか。離婚は不可避とされるなか、台湾、中国それぞれのネット事情に明るい筆者がレポートする。なお、福原さん自身は不倫を否定しているし、夫も離婚や不仲等を否定しているが、各地とも基本的には不倫も不仲もあった、という前提で報道されていて、それに即したコメントがネット上にはあふれている状況である。

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 台湾メディア『今日新聞』では、「『福原愛事件』について日本人のほうが台湾人より怒っている?」とのタイトルで記事を掲載。

 その内容はざっと以下の通りである。

《福原愛と江宏傑の家庭内不和が世間を騒がせており、日本メディアは家庭内の暴言や日本人男性とのデートの様子を大きく報道。議論を呼び起こしている。こうしたなか、台湾では「日本では多くの人が福原愛を罵倒しているのに対し、台湾人は傍観者のように冷めているように見える。なぜだろうか?」と疑問を持つ人が現れた》

 台湾のネット掲示板では、以下のようなコメントがあった。

「(台湾人がさほど怒っていないという点については)福原愛は日本では何十年も前から非常に有名だったけど、台湾ではそこまでの知名度はなかったからでは。台湾に嫁に来るまで、ほとんど知られていなかったよね」

 と、身も蓋もない声があれば、

「そもそも日本や韓国は、有名人が不倫をした場合の扱いが台湾より厳しく、芸能界から完全に抹殺されることもあるようだ」

「日本の芸能界は台湾より規模が大きいから、持ち上げられれば天国だけど、突き落とされれば地獄だね」

 という“分析“もある。

「妻の不倫」を叩く日本

 そして、

「自分には関係ないことだから、そこまで怒る気にはなれない」

 という指摘に対しては、こんな見方もある。

「(不倫をしたとされる福原に怒らない)台湾人は道徳意識が低いってことだろうか?」

 さらに、こんなコメントも。

「日本人にとって、妻が夫と子供を放ったらかして不倫をするというのは、非常に受け入れ難いことのようだ。一方、台湾人は『不倫をするからには、外部の人間には分からないような原因があったんだろう』と考えるのかもしれない」

「台湾人は怒ってないよ。笑い話としか思ってないな」

「国民性は関係ないんじゃないかな。台湾でも(女優の)馬雅舒(マー・ヤーシュー)や伊能静(アニー・イー)みたいに、不倫で叩かれた有名人はいる。台湾メディアは日本人に対して甘いだけでは」

「日本人はメンツを重んじる。国際的に恥ずかしいニュースだと思うから、ネットの反応も福原愛に厳しいのかもしれない」

「パイナップルとか水不足とか、台湾にはもっと大きな問題があるから、こんなニュースに怒っている場合ではない」(※現在、中国は台湾に対しパイナップルの禁輸措置を取っているほか、台湾各地で深刻な水不足が続いている)

 また、日本社会に根深く残る女性差別が背景にあるのではないかという意見も、台湾のネット上で散見された。

「日本人は有名人に対して求める道徳水準が非常に高い上、男尊女卑の文化も根強い」

「日本は男尊女卑の社会だから、男性芸能人が不倫をしたら以前より人気が増したりもするのに対し、女性芸能人の場合は好感度が暴落して引退に追い込まれることもある」

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