ナレーター戦国時代 夕方ニュース番組に登場した「大物俳優」に関係者は仰天

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昭和の三羽ガラス

 声優の名ナレーターは枚挙に暇がないが、一説によると、黒沢良(1930~2011)、城達也(1931~95)、矢島正明(88)が三羽ガラスと評価されていたという。

「黒沢さんは『大江戸捜査網』(テレビ東京系列・1970~84年)や『長七郎江戸日記』(日本テレビ系列・1983~91年)など、時代劇のナレーションで一時代を築きました。

 城さんは特にCMのナレーションが有名で、FM東京の『JET STREAM』のパーソナリティを1967年から94年まで務めたことでも知られています。

 矢島さんは何より『クイズタイムショック』(テレビ朝日系列・1969~86年)の問題出題者として有名でしょう」(同)

 ところが近年、有名俳優がテレビ番組でナレーションを担当することが増えている。

 昔も舞台経験などが豊富な実力派俳優が、声優を務めることは多かった。ところが今のテレビでは、ドラマや映画で主役を務める人気者の俳優が、声だけの仕事を引き受けているところに特徴がある。

芸人と俳優

 一体、何が起きているのだろうか。

「ナレーターでヒットする番組も少なくありません。上手くハマると番組の魅力がアップしますが、マンネリや飽きられるデメリットもあります。

 また他の番組で人気のナレーターを起用すると、『あの番組っぽい』と言われることも少なくありません。番組の新鮮味が失われてしまうわけです」(同)

 例えば田口トモロヲ(63)の声を聞けば、多くの人が「プロジェクトX~挑戦者たち~」(NHK総合・2000~05年)を思い浮かべるのではないか。

 橋本さとし(54)なら「プロフェッショナル 仕事の流儀」(同・火・22:30)──という具合だ。

「番組制作に携わっているスタッフは常に新しいナレーターを探しています。『自分の番組だけの声』を求めているわけです。

 その結果、ナレーターとして売れっ子の声優さんやフリーアナウンサーさんを避け、お笑い芸人と俳優に注目するようになったのです」(同)

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