日本マクドナルド、去年の営業利益は過去最高、どん底から復活させた「3人の経営者」

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下平氏が本社に復帰

 危機感を持ったカサノバ社長は、2015年に全都道府県の店舗を訪問し、顧客がマクドナルドに何を求めているかヒアリングしたという。

「彼女はマーケティング畑の出身でしたから、シーズンメニューを作ったり、新たに低価格商品を導入したり、品質管理の向上を図ったりして、経営の立て直しに着手します。そして、マクドナルドの現場を知り尽くしている叩き上げの下平篤雄氏を本社に戻し、副社長に就任させた。原田氏のやり方に批判的だった上席執行役員の下平氏は、2009年にFCの会社に出向させられていました。下平氏はさっそく現場をまわり、安全な食材の供給や接客サービスなどを改善させました。カサノバ氏は彼との二人三脚で業績を回復することができたのです」

 2019年3月、カサノバ氏は会長に退き、日色(ひいろ)保氏を社長に招いた。

「ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループの社長だった日色氏は、組織マネージメントが得意。ニックネームは“ピープルリーダー”です」

 彼は2016年、日経新聞が行った『人を生かす会社』の総合ランキングで、ジョンソン・エンド・ジョンソングループを1位に導き、18年の『女性が活躍する会社BEST100』ランキングでも1位を獲得している。

「日色氏は働き方改革を行い、従業員のモチベーションをアップさせることに成功しています。現在のカサノバ会長、日色社長、下平副社長の3人が、日本マクドナルドを最高売上に導いたといえるでしょう。短期的なコロナ特需だけではなく、中期的でもさらに業績は上向いていくとみています」

デイリー新潮取材班

2021年2月25日掲載

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