ビットコインは年末に1千万円に? オランダ機関投資家の分析、昨年からの急騰も的中

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 2020年の株式市場は、まるでジェットコースターだったが、株以外に目を向けると、最も値上がりした投資対象の一つがビットコインである。何しろ1年で4倍、1ビットコインが約380万円なのだ(1月19日現在)。

「急騰の直接の原因はペイパルなどアメリカの大手金融会社が仮想通貨の取り扱いを開始したことが大きい。ビットコインは17年にも暴騰しましたが、その時は日本人の投資家が主役でした。今回はアメリカの投資家がビットコインを買いまくっているのです」(投資ライターの高城泰氏)

 急騰しては暴落し、人々を欲望の荒波に飲み込んできたビットコインだが、10年間で見ると約10万倍に値上がりしている。掴みどころのない「仮想」の存在なのに、どんな仕組みで価値が上がるのだろうか。

「オランダの機関投資家でマネージャーを務める人物が“PlanB”という仮名でネットに投稿した分析が話題になっています」

 とは、仮想通貨トレーダーである。

「PlanB氏によると、金やプラチナなど貴金属の価値は、市場に流通している量(ストック)と毎年産出される量(フロー)の比率で決まるとしています。たとえば金は世界中に約20万トン存在していますが、年間の産出量は3千トンほど。この差が大きいほど価値が高くなるという理屈です。これはビットコインにも当てはまり、4年ごとに産出する量が半減することから長期的には値上がりを続けるというのがPlanB氏の主張なのです」

 同氏はこれを「ストック・フロー比率」と名付けてビットコインの予想価格を公表したが(掲載のグラフ)、たしかに予想価格をなぞるように実際の価格も推移している。昨年からの急騰もしかりだ。さらにその先はというと、今年の末にも1ビットコイン1千万円に達するとある。一方で、

「だからといって飛びつくと痛い目に遭うのもビットコインです」

 とは先の高城氏。

「前回の暴落は、交換業者の『コインチェック』が派手な宣伝を始めたタイミングで起きました。今回もビットコインの急騰を受けて同社が再びCMを流しています。皆が騒ぐようになったらバブル崩壊を意識したほうがいい」

 ちなみに前回の急落では価格が5分の1以下になったこともお忘れなく。

週刊新潮 2021年1月28日号掲載

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