「菅首相」がワクチン担当相を「河野太郎」にした理由、政権の楽観・悲観シナリオについて

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「菅おろし」の実際

 では、今後の菅政権の吉凶について、永田町関係者に占ってもらうと、

「まずは3月末までに東京オリパラをどうするかを決めることになります。これがどうなるかは本当に未知数なのでわかりませんが、国民にとってどうかはともかくとして、“中止”となるのが菅さんとしては1番の悲観シナリオでしょう。一方、“無観客となるかもしれないがひとまず開催”が決まるなら菅政権は命脈を保たれる」

 しかし、

「ワクチンが遅れたりしてコロナが収まらないままだと、4月の補選の時期には内閣支持率は25%くらいになる可能性があります。補選は不戦敗1に敗戦1で2敗はほぼ確定で、それをもって政局にはしないということではありますが、そういった低空飛行だと閣僚や党幹部の失言が目立ってきてしまうもの。給付金10万円を再度交付するか否かについて、麻生さん(太郎財務相)が記者に問われた際の態度の悪さがかなり話題になっていて官邸はナーバスになっていますが、内閣支持率が危険水域に入っていたらそれこそ炎上していたはず」

 その時点で「菅おろし」が吹き始めるのかというと、

「いえ。そもそも、安倍さん(晋三前首相)も麻生さんも菅政権を生み出した“製造者責任”があるので、そう簡単に菅おろしに加担することはありません。できるだけ菅政権維持のために注力する。補選の時期をクリアできれば、その後の7月の都議選は、自民党の支持率が極端に下がっていなければ、他の受け皿がありませんから負けることはない。そこまで乗り切って五輪があれば衆院を解散して、“自民党だけで過半数、公明党と合わせて絶対安定多数”、悪くても“自公で過半数”を確保して、総裁選の再選に持ち込むというのが、菅さんが続けられる道でしょうね」

 ブロック太郎がミスター・ワクチンと呼ばれるようにならない限り、その道は難しいということなのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月21日掲載

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