『ジャニーズは努力が9割』を体現するSnow Man 「16、16、15、15、15、14、14、10、5」の秘密

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“窓際族”への“急な人事異動”

 Snow Manメンバーの阿部亮平や深澤辰哉と同じ2004年のオーディションで入所した山田涼介は2007年にはHey!Say!JUMPとしてデビューしていたりと、既に彼らの旬は過ぎているかのような空気すら漂っていた。

 メンバーの渡辺翔太は「長かったジャニーズJr.時代、コンビニとかでIDパスを首からぶらさげて楽しそうにお昼を買っているビジネスマンを見て、ああいう世界もありなんだなと思いました」(*1)と、不安定なジュニア時代に、辞める意思がよぎったことも語っている。

 そんな“窓際族”たちに起きたのが“急な人事異動”である。

 といっても、受け入れる側だ。

 2019年、前年からYou Tubeチャンネルを開設し、注目が高まっていた6人に、3人のメンバーが加入することになった。

 外から見ればジャニーズJr.内の編成が変わったくらいの出来事に見えるかもしれないが、デビュー前とはいえ、既に結成から数年、安定感すらあったグループに新規加入があるのは大きな出来事である。

 ファンもざわついた、大きな“人事異動”だ。

 加わった3人のうちのひとり、向井康二は関西ジャニーズJr.の要として活動していたが、これを機に上京。

 目黒蓮は宇宙SixというジャニーズJr.内の別グループのメンバーとして活動していたため、当初は兼任していた。

 だが、宇宙Sixとして嵐のバックダンサーをしてから、寝ずに振り付けを覚え、翌朝からSnow Manとしての活動に参加するといった多忙な日々を過ごした後に、兼任は解除された。

 それぞれに離れることになった場所があったのだ。

 2006年に入所した向井はもともと、関西ジャニーズJr.時代に、今はKing & Princeとして活動する平野紫耀と3人組のユニットを組んでいたこともあった。

 2014年、関西ジャニーズJr.からジャニーズWESTがデビューしたときには「俺も入れない?」とジャニー喜多川に電話をしたという。

 かなり勇気のいる直談判である。そのときの答えは「YOUはここじゃない」

ジャニー喜多川にプレゼン

 だが2018年、関西ジャニーズJr.から久々になにわ男子というユニットが結成されたときも、向井の名前はなかった。

 そこで「やれることは全部やったのか?」と自問自答し、「入れてもらえないなら自分でグループを作ろう」と思いたち、なんと3グループ分、メンバー構成はもちろん、コンセプトやフォーメーション、ターゲットまで記載した企画書を自ら作って上京。ジャニー喜多川にプレゼンをした。

 それでも実現には至らなかった。その後、ジャニーズJr.の育成を担うことになった滝沢秀明から「Snow Manに入れたいけどどうかな?」という打診の連絡がくる。

 向井は20分悩んで返事をした。

 だが、その20分は1ヶ月以上のように感じたという。

「返事の早さってすごい大事だから。分刻みで状況が変わるような世界で、タイミングをちょっと逃しただけでチャンスをつかめなかったことなんていくらでもある」(*2)

 向井は加入が決まり、「Snow Manの向井康二です」という挨拶の練習から始めたという。

 グループ名をつけての自己紹介は、途中から加入した彼らにとって意味の大きなものに思える。

 2021年正月に放送されたドラマ「教場Ⅱ」に出演した目黒蓮は、撮影現場で毎朝、主演の木村拓哉にこう挨拶をした。

「おはようございます、Snow Manの目黒蓮です」

 さすがに木村拓哉がグループ名を認知し「名前だけでいいよ」と思い始めたあとも、目黒は「Snow Manの目黒蓮です」と挨拶をし続けたのだという。(*3)

 今や雑誌の表紙に登場すれば増刷が続き、公式サイトのサーバーもダウンするような人気の目黒だが、こう語っている。

「5年くらい前の僕を知っている人は、あの子が5年後にデビューしているなんて考えられないと思う。正直、あの子がデビューできるなんて思ってた人、いないと思うんですよ。それは客観的に見て、自分でも分かる」(*4)

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