「李明博・朴槿恵」の「恩赦カード」が突如湧いて出てきたタイミングと意味とは?

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野党分裂を導いた恩赦作戦

 全斗煥は与党候補である盧泰愚を2年後の大統領選で勝利させるため、野党の有力候補だった金大中を赦免した。

 金大中が大統領選挙に出馬する機会を得ると、同じく出馬した金泳三との間で野党票が2つに分かれた。

 金大中の得票は27.1%で、金泳三は28.0%、漁夫の利を得た盧泰愚が36.6%を獲得して当選した。

 野党の分裂を狙った全斗煥・盧泰愚の計略がまさに的中したのだ。

 現在、韓国の保守野党は「反文在寅」で一致してはいるものの、象徴となるリーダーが存在しない。

 保守層の中で、李明博元大統領と朴槿恵前大統領を支持するグループは力を持ち、決して一枚岩ではない。2人が同時に赦免を受けると、保守層は2つに分裂するだろう。

 2022年3月9日の大統領選挙でそれぞれの保守陣営が拮抗すれば、盧泰愚大統領が漁夫の利を得て当選した1987年の野党票の分割が再現されるかもしれない。

 国民の支持が落ちている与党・共に民主党にとって唯一ともいえる勝機となる。

 韓国の世論調査会社、リアルメーターが発表した調査結果によると、朴槿恵前大統領と李明博元大統領の赦免について、賛成47.7%、反対48.0%と意見が真っ二つに分かれている。

 さて、文在寅大統領は決断できるだろうか。

Alex Lee(仮名)
韓国紙のベテラン記者

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月10日掲載

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