「マヂカルラブリー」M-1優勝の陰に“くじとコロナ” 大接戦は大凡戦という指摘も

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上沼恵美子も指摘

 ところが、「マヂカルラブリー」は、この5年間で最も審査員の得票率が低い優勝コンビとなってしまった。どれほど今年の票が分散したのか、再認識させられる。

「大混戦が高視聴率を生みましたが、これは同時に“凡戦”だったとも言えます。『帯に短し襷に長し』という諺の通りです。番組の終盤で松本人志さん(57)が『今でも俺は正直悩んでる。これでよかったんかなって』、立川志らくさん(57)も『漫才の戦いで喜劇に票を入れていいのかという葛藤があった』と感想を口にしました。私は『最も面白い漫才師』を決めるはずの大会が、『最も会場を笑わせた芸人』を優勝させたことへの反省と受け取りました」

 横綱不在の大会だったと指摘した審査員もいる。日刊スポーツは12月21日、「上沼恵美子、M1は『目玉いなかった…番狂わせに』」という記事を配信した。(註:全角英数を半角にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた)

《タレント上沼恵美子(65)が21日、ABCラジオ「上沼恵美子のこころ晴天」(月曜正午)に生出演。審査員を務めた20日放送の漫才日本一を決めるテレビ朝日系「M-1グランプリ2020」について「ある意味、目玉という人がいなかった。この人がいくんじゃないか。ちょっと番狂わせになった」と振り返った》

遅咲きの“マヂカル”

 前出の関係者が言う。

「確かに『マヂカルラブリー』が面白かったのは事実です。3年前に上沼恵美子さんに酷評されたというエピソードも盛り上がりました。ボケの野田クリスタルさん(34)は『R-1ぐらんぷり』でも優勝した実力の持ち主です。とはいえ、彼らは横綱ではありませんでした」

 この関係者は、新型コロナウイルスの影響も感じたという。何しろテレビでネタを披露するにしても無観客、劇場は入場制限が常態化し、それこそネタ合わせをする場所にも困ったはずだ。

「練りに練った芸を披露するコンビが少なく、勢いで笑わせる絶叫型が目立ちました。審査員が『やかましいのが続いた』と評したとおりです」

 そのためか、優勝候補と言われていた「アキナ」が精彩を欠き、敗者復活から「ぺこぱ」も上がってこなかった。更に、くじ運が大きな影響を与えたことは、視聴者なら誰でも実感しただろう。

「『マヂカルラブリー』の後に、分かりやすいボケとツッコミが魅力的な『オズワルド』がネタを披露したのは不運だったと思います。決勝戦でも、『マヂカルラブリー』の後に『おいでやすこが』が登場したのも厳しいものがありました」

 いずれにしても「マヂカルラブリー」が「ミルクボーイ」や「霜降り明星」ほどの才能や存在感を発揮しなかったのは事実のようだ。

「『マヂカルラブリー』は2007年の結成。野田クリスタルさんは『パンサー』の尾形貴弘さん(43)と同期、ツッコミの村上さん(36)は『ジャングルポケット』や、渡辺直美さん(33)と同期です。率直に言って、遅咲きとなります。歴代優勝者のような売れっ子になるためには、いっそうの切磋琢磨が必要だと思います」

週刊新潮WEB取材班

2020年12月22日掲載

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