朝ドラ「おちょやん」、役者は出揃っても視聴率はいま一つ 囁かれる根本的な原因

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 朝ドラ「おちょやん」の数字が上向かない。初回視聴率18・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は7年ぶりの大台割れと報じられ、それを超える日がまだ1日もないのだ。3週目に入って、ヒロインも成長して杉咲花が登場、役者も出揃った。それなのに、なぜ?

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 民放プロデューサーは苦笑して言う。

「最近の朝ドラの中では不振と言っても、最低でも17・2%(第2話)も取っているわけですからね。民放のゴールデンなら、17~18%でも狂喜乱舞する数字です。しかし朝ドラでは、許してもらえない数字ということです」

 とはいえ、近年の朝ドラで平均17%台となると、12年後期の「純と愛」(17・1%)以来である。

「『おちょやん』の脚本は八津弘幸さん。『半沢直樹』第1シリーズや『下町ロケット』、『流星ワゴン』(いずれもTBS)など、硬派な日曜劇場の常連であると同時に、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)では遊び心も発揮しました。作り手として間違いなく、一流です。不振の原因とは考えにくい」

 実際に見てみれば、セリフにしっかりオチもあったり、涙と笑いもちりばめられている。

キャスティングが小粒?

「当初は役者の小粒感かとも思いました。初週で知っているのはトータス松本くらい。2週目からは篠原涼子と名倉潤、いしのようこ、井川遥らが出てきましたが、それでも数字は上がらず。広瀬すずはじめ松嶋菜々子、草刈正雄らに加え、歴代ヒロインが出演した100作記念の『なつぞら』(19年前期)よりは劣るかもしれませんが、よくよく見ると、杉咲一座も決して悪くない。子役時代の毎田暖乃ちゃんの演技は素晴らしかったし、継母役の宮澤エマもよかった。大阪放送局の制作ですから、上方芸人が多くなりがちではあるのですが、チョイ役で出てくる芸人も多く、飽きさせません」

 コロナ感染から復帰したばかりの漫才“海原はるかかなた”のかなた師匠は3日に駐在役で出演、はるか師匠も11日に見事な水落ちで、まるで落ち武者のような乱れ髪を披露していた。18日には久しぶりにMr.オクレの姿も確認できた。

「芸の細かいキャスティングが楽しめます。篠原涼子のモトカレ役で登場した歌舞伎役者・片岡松十郎も第3週の月曜に登場して、金曜には亡くなってしまうという短い出演でしたが、あの役者は誰なんだと話題になっていますからね」

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