「外交官車」の違法駐車が年間2千件超 常習犯の国名は

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「何度か某国の書記官と飲んだことがありますが、彼は車でやって来て、平気で駐禁スペースに停める。注意しても“ダイジョーブ!”と言うばかり。二人で焼酎を数本空けると、いつも書記官はフラフラになりながら自分で運転して帰るんです」

 そう振り返るのは、政治部のベテラン記者である。

 立憲民主党の白眞勲参院議員が、外国大使館や外交官などの「駐車違反」について外交防衛委員会で質問したのは11月19日。そこで明らかにされたのは、日本に1982台ある外国公館・外交官の車、いわゆる「青ナンバー」だが、昨年1年間でその駐車違反が約2600件あったという事実だった。一昨年は3948件である。

 身に覚えのある人もいるだろうが、放置駐車違反を駐車監視員に見つかると車にステッカーを貼られる。1~3週後に放置違反金の仮納付書が届いて、違反金を振り込めば、お咎めなしとなる。サラリーマンにとって約1万円の出費はちょっと痛いが、青ナンバー車の場合、違反金の約75%が踏み倒されているのだという。

 白議員が言う。

「外交官はウィーン条約によって刑事裁判が免除されており警察も大使館の中には踏み込めません。だから、駐車違反の罰金も払わなくていいと思っている人がいるのでしょう。しかし、道交法は日本の交通制度の基本。誰であっても守らないといけません。それにしても、青ナンバー車1台あたり年間1・3回も駐車違反というのは多すぎます」

 ただでさえ青ナンバー車はさまざまな優遇があり、ガソリンに掛かる税金も免除されている。警察庁によると、青ナンバーでも違反を繰り返すと、車の使用制限の対象になるとのことだが、気になるのは常習犯の「国名」である。

「政府は絶対に明らかにしませんが、中国とロシアが、違反の半分近くを占めています」(前出の記者)

 国の民度は、その外交官のモラルに比例する?

週刊新潮 2020年12月10日号掲載

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